茨城キリスト教大学

公開講座「地域のもしもに備えよう」2025年度地域防災プログラムを開催しました

3月12日(木)・13日(金)公開講座「地域のもしもに備えよう」2025年度地域防災プログラムを開催

昨年に引き続き、今年も日立市と本学看護学部にご協力いただき、地域防災プログラムを開催しました。
公開講座の概要はこちらから

開催にあたって

2011年の東日本大震災から15年の月日が経ちました。
日立市では年々、防災対策を強化していますが、災害はいつ起こるか、どんな規模で、どんな被害がでるのか、私たちには可能な限り予想して対策を考えることしかできません。
行政や専門機関だけでなく、地域全体で取り組むべき課題として、3月のこの時期だからこそ、防災力と地域コミュニティ力の重要性を学んでいただきたい、そんな思いで2年目防災プログラムを計画しました。
 
 

第1回/多様な人達と共に生きるための自主防災力強化 (共助)」

講師:日立市総務部防災対策課の皆さま

日時:2026年3月12日(木)10:00~12:30
場所:大学11号館2階教室
講座スケジュール
  1.  講話:自然災害の種類とハザードマップ、被害の紹介、避難の考え方など
  2.  演習:ハザードマップの見方と避難ルートの検討、防災WEBポータルの活用方法
  3.  グループワーク:様々な状況下での、災害別の行動
  4.  避難所体験:備蓄品の紹介、間仕切りテント・段ボールベッドの設営
受講者:約40人

代表挨拶

日立市総務部参事補 大畠俊彦氏は、茨城キリスト教大学公開講座「地域のもしもに備えよう」開催にあたり、参加者ならびに関係者への謝意を述べたのち、東日本大震災から15年の節目に触れました。近年は各地で自然災害が頻発・激甚化していること、日立市でも令和5年9月に豪雨災害が発生し復旧が続いていることから、平時の備えの重要性を呼びかけました。 講座は、災害の種類やハザードマップの基礎、見方とツール活用、災害時行動を考えるグループワーク、段ボールベッド等の避難所体験で構成されると説明。 最後に、テーマにも記載のあるとおり「共に生きるため」に学んだ内容を家族や周囲へ共有し、地域で助け合える防災意識の向上につなげてほしいと締めくくりました。

1.講話

日立市総務部防災対策課 小室淳氏は、「多様な人たちと共に生きるための自主防災力強化」をテーマに講話を行いました。自身の被災・対応経験(東日本大震災、令和元年東日本台風、令和5年台風13号豪雨)を交えつつ、災害の種類や地震・津波、風水害(外水・内水氾濫)とハザードマップの要点を解説。日立市の事例から、線状降水帯など急変する気象への備えや、浸水範囲が内水ハザードマップと一致した点なども教訓として紹介しました。
避難は「避難所へ行くこと」に限らず安全な場所へ移る行動であり、警戒レベル4までの避難判断を徹底すること、在宅避難に備えたトイレ対策など、平時の準備の重要性を強調。自家用車内にも常時防災グッズをセットしておくことや遠出先のハザードマップを確認することなど、自身が行っている具体的な防災対策の紹介には多くの受講者のうなずく姿があり、次の演習につなげました。

2.演習

日立市総務部防災対策課 梅澤治希氏は、災害時の避難ルート検討に向け、日立市が公開するハザードマップの活用方法を解説しました。地区別防災マップ、県管理河川の洪水ハザードマップに加え、洪水・大雨浸水・土砂災害・津波・地震の各情報を一括で確認できる「日立市WEB版ハザードマップ」を特に推奨し、住所検索で自宅や外出先の危険度を即時に把握できる点を紹介。
演習では、任意の地点から避難所までの経路を各自で検討し、ハザードエリアを可能な限り避けて遠回りでも安全なルートを選ぶ重要性を、具体例を用いて説明しました。
さらに、情報収集手段として「Yahoo!防災速報アプリ」、国交省「川の防災情報」、「日立市防災WEBポータル」を紹介し、平時から避難所と避難ルートを確認して備えるよう呼びかけました。

3.グループワーク:

講話を担当した小室氏から、冒頭で各種用語の定義、避難所運営は避難者主体であること、災害時要配慮者の配慮事項、グループワークのルールについて解説され、30分程度の話し合いが始まりました。
ワークは、グループごとに引いたテーマ(災害状況)と要配慮者の組合せで想定される動きや混乱といった懸念点を考え、解決策を検討するものです。どのグループも活発な議論が行われていました。
ワーク後は、この議論において、正解はないことが強調され、まとめとして、沿岸部や旅行先、買い物中、自宅など身近なシーンを題材に、「今、自分がどこにいるのか」「周囲の環境にはどのような危険があるのか」を考え、状況に応じて行動を選択することの大切さが改めて伝えられました。

4.避難所体験

最後のプログラム「避難所体験」は、昨年度と同じ「間仕切りテント」の設営と、「段ボールベッド」の組み立てです。 昨年度は時間の都合上、解体・片付け作業までできなかったため、今年は最後まで体験いただきました。

受講者の様子
受講者の様子
司会・挨拶:本学地域・国際交流センター長 宮﨑 晶子氏
最後に備蓄食の紹介もありました(各自の試食は宿題です)
おすすめの備蓄グッズの展示(日立市さまご用意)
防災対策課の皆さま、ありがとうございました

第2回/災害関連死を防ぐために住民同士で出来る取組 (共助)

講師:本学看護学部看護学科准教授 長津貴子氏、看護学科教員・日立市消防本部南部消防署 鈴木将也氏

日時:2026年3月13日(金)9:30~12:00
場所:大学8号館教室
講座スケジュール
 講義:災害関連について
 演習:
  1. 応急処置法(止血、固定法)
  2. 感染対策(マスク、消毒)
  3. AED展示・心臓マッサージ
  4. 搬送訓練
  5. DMAT・ハザードマップ展示
受講者:約30人

1.オリエンテーション(挨拶)

看護学部長 栗原加代氏は、昨日は講義中心の講座であったことから、今日は体を動かす演習を行う旨を説明しました。参加者の皆様が「災害時にどう行動すべきのか」「どうしたら良いのか」ということに興味を持って当講座に参加くださったのだろうと思うが、災害時は協力して行動することが大切である一方、被災した家屋や地域の状況、持病などによっては「動くことが危険」になる場合もあるため、講義と演習を通して自分がどうすべきか判断を学んでほしいと強調。
さらに、公的支援が到着するまでの間に自宅にある物を活用して救命し、けがや後遺症を防ぐスキルを身に付けて周囲に伝授いただくためにも、今後も看護学部として継続して実施したい意向を示しました。最後に、精鋭スタッフが準備しているので楽しんで参加してほしいと締めくくりました。


看護学科主任の池袋昌子氏も会議の合間に駆け付け、学科主任として参加者に来場のお礼を述べました。あわせて、参加者がこれまでの経験から得た知恵を持ち寄り、日頃の研修で得た知識を本日のアクションを通して結びつけてほしいと呼びかけました。さらに、参加者と看護学科教員が共に学びながら、看護の力を少しでも提供できるよう努めたいと挨拶を述べました。

2.講義:災害関連死について

本学看護学部看護学科准教授 長津貴子氏は、昨日の講座で自助・公助・共助を学んだことを踏まえ、本日は地域や身近な人同士が助け合う「共助」を中心に扱うと説明しました。救助・応急手当・搬送が初動で重要だと述べ、阪神淡路大震災では自力脱出と家族救助が66.8%、友人や通行人の救助が28.1%で、計97.5%が自助・共助で救助されたと紹介。公助には限界があるため、各自が状況を把握して備える必要があることを強調しました。特に、日立市内にある病院の立地場所や市内に9台の救急車に触れ、災害時には搬送や到着までの待機が長くなり得ると指摘。初期消火の重要性、神戸市東灘区御影石町で町内約300人がバケツリレーで消火した事例を示し、日頃から災害への意識を向けるよう。家具転倒防止や避難経路・ハザードマップ確認、帰宅困難を想定した備えを促し

災害関連死として感染症、深部静脈血栓症、トイレ問題や水分不足を挙げ、手指消毒(十分量を擦り込み乾燥させる)とマスクの正しい着脱を演習で学ぶよう求め、最後にグループ分けを行いました。

3.演習:応急処置法(止血、固定法)

このセクションでは、昨年度と同様に、災害時に怪我をした際の止血方法や、骨折した方への応急手当について学び、受講者同士で演習を行いました。
自宅や外出先などで周囲の人が骨折していることに気付いた場合、どのように対応すべきかを想定し、タオルやガムテープ、ゴミ袋、雑誌といった身近な物を使って腕を固定する方法が紹介されました。今年度は、ラップの芯を用いた固定方法も実演され、参加者の関心を集めていました。
また、止血については、出血箇所をどの程度の強さで押さえる必要があるのかといったポイントを確認し、実践を通して理解を深めました。

4.演習:感染対策/マスク・消毒

このセクションでは、今回の講座のテーマの一つである「災害関連死」を防ぐ取り組みとして、正しい消毒方法やマスクの着用について学びました。はじめに手の汚れチェックを行った後、講師の指導のもと、正しい消毒方法を体験しました。アルコール消毒は、ポンプを一番下までしっかり押すことで約3mlが出ること、手全体に行き渡らせて揉み込み、完全に乾いた状態になることで初めて十分な消毒ができることが説明されました。
消毒の目安としては、「ハッピーバースデー」の曲を一曲分歌う程度の時間が紹介され、参加者は具体的なイメージを持って理解を深めていました。あわせて、避難所生活を想定し、マスクを正しく装着し、こまめで丁寧な消毒を徹底することが、感染症の蔓延を防ぐうえで最も重要であることが改めて共有されました。

5.演習:AED展示・心臓マッサージ

このセクションでは、救急救命講習をこれまでに受講したことのある方も多い中で、実際に目の前に要救助者がいたとき、果たしてすぐに行動に移せるのかを改めて考える機会となりました。
講師である日立市消防本部南部消防署の鈴木将也氏(救急救命士)からの講話と実技を通して、胸骨圧迫やAEDによる応急手当を行うことが、要救助者の生存率や社会復帰率を大きく高めることを、具体的な説明と体験をもって実感する時間となりました。
また、実際にテンポよく胸骨圧迫を行うと、救助する側にも大きな体力的負担がかかることから、日頃現場で対応にあたっている救急救命士への敬意を口にする受講者の姿も見られました。

4.演習:搬送法

このセクションでは、怪我などの理由で自力で動けない方を安全な場所まで避難させる方法として、搬送法の体験を行いました。実際に受講者の中から体格の異なる方に患者役を担ってもらい、何人で運ぶのが適切か、どのように身体を支えれば患者が不安を感じにくいか、また搬送する側の腰への負担などについて考える機会となりました。
さらに、受講者の中に防災士の資格を持つ方がおり、1人で救助を行う場合の工夫や方法について共有いただく場面もあり、参加者同士が知識や経験を持ち寄る「共助」の大切さを実感する時間となりました。

4.その他のセクション(DMAT物品展示・ハザードマップ展示)

今年度も、水戸協同病院さまのご協力により、DMATの物品をお借りし、災害現場においてDMATがどのような装備を携えて活動しているのかを学びました。実際に制服を試着したり、バッグを背負ったりする体験を通して、過酷な状況の中で関係者の皆さまが救助活動にあたっている現実を、受講者一人ひとりが実感する機会となりました。

入口掲示
骨折の固定掲示
ハザードマップと看護学科授業使用テキストの展示
簡易トイレ用テントを展示しました
司会・挨拶:地域・国際交流センター長 宮﨑 晶子氏
質疑応答:看護学部看護学科 長津 貴子氏
挨拶:日立市消防本部南部消防署 鈴木 将也氏
演習を補助してくれた3名の看護学科学生

受講いただき、ありがとうございました。

受講された皆様からのお言葉

 受講者アンケートより抜粋
  •  昨年にわたり2回目の受講をさせていただきました。短時間での講習でしたが、昨年よりパワーアップした内容で毎回受講している人には、スキルアップになったと思います。
  • また、来年の開講を楽しみにしております。大変お世話になりました。
  • 様々な活動を用意していただき、充実した研修でした。
  • 自身の中で災害へのイメージを膨らませるだけでなく、様々な年代の方との交流・演習を通して防災意識を向上させられたのではないかと思う。
  • 予測できるもの、予測が難しいもの、多岐に渡るけれど、どんな状況にも対応できるような準備、意識付けを心がけていきたい。
  • グループワークで、他の方々と交流できたのがよかったです。
JWAYさまのラジオに出演させていただきました
当日も取材にきてくださいました。JWAYさまにも感謝申し上げます。

地域・国際交流センター

地域交流課について

地域交流課では、学生ボランティアの他にも地域に貢献できる講習や講演会を企画しています。
地域社会との連携、地域活動のほかに、公開講座・県民大学など各種講座運営、聴講生に関すること、広報誌「みどりの」編集・発行、地域・教育ボランティアに関することを担当しています。
 
気になる方は、地域・国際交流センターまでお問い合わせください。
 
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