看護教育学 —人が持つ力を引き出す—
「患者にとっての生命力の消耗が最小になるように」とナイチンゲールは記しました。
看護師として、そして「看護と育成(教育)との二重の任務に跨るprofession」といわれる養護教諭として奉職してきた日々を振り返ると、それだけではなかったように思います。敢えて厳しいことを伝えたり、無力感にうちひしがれても回復を期待したりと、対象に潜む力を探し、引き出すべく、「余計な励ましや忠告」もしてきました。
看護教育学では臨床、養成所、学校等、様々な場で生じる現象を言葉にしていきます。看護教員、養護教諭、教育にかかわっている、あるいはかかわりたい方が抱える矛盾をみつめ、解いていくことにより、意図や願いに気づくことができるとよいと思っています。多角的な視点を得て、人が持つ力を引き出す知恵を育んでいきましょう。
なお、養護教諭専修免許を修得できる教育課程を整えています。看護師等養成所の専任教員資格取得については、入試広報部(0294-54-3212)を通じてお問い合わせください。
≪文献≫
フロレンス・ナイチンゲール(小林章夫他訳):看護覚え書,うぶすな書院
福田邦三:学校看護と学校養護,学校保健研究22(12),1980