『万葉集』は巻十四に東歌、巻二十に防人歌を載せています。東歌は東国地方の歌、防人歌は東国から防人として壱岐・対馬・筑紫などへ行かさ
れた庶民の歌で、離別の悲しみ、生活の苦しさなどを詠んでいます。
東歌・防人歌には古代のふつうの人びとの心情が率直に表現されています。
しかも、東国方言によって多くが歌われています。読んでゆくと、それら東国方言は現代日本語とも深いところでつながっていることが分かり
ます。
古代の東国に生きた人びとの思いとその言葉とに東歌・防人歌を通して迫りたい、と思います。
現地研修の実施については、状況をみて判断したいと思います。