茨城キリスト教大学

大学院 生活科学研究科 食物健康科学専攻:教員紹介

会田 さゆり (学問分野:臨床栄養学)

  ヒト褐色脂肪の機能を調節しているメカニズムと体温調節、エネルギー代謝、肥満に関する研究を行っております。褐色脂肪組織(Brown adipose tissue, BAT) は、寒冷暴露や多食に対応して、筋肉運動に依存しない非震え熱産生と呼ばれる寒冷誘導熱産生や食事の特異動的作用として知られている食事誘発熱産生を行う代表的な組織で、体温調節や余剰エネルギーの散逸に寄与する部位であります。そのBATに関する従来の知見の大部分は、実験動物での研究結果から得られたものでありましたが、癌の画像診断に汎用されているFDG-PET/CTを用いてヒトのBATを検出・評価できるようになりました。これまでの研究でヒトBATは、寒冷誘導熱産生や食事誘発熱産生に寄与し全身のエネルギー消費や体脂肪量の調節に関与していることなどを報告してきました。これはBATを活性化・増量をすれば肥満を軽減・予防できる可能性があることを示唆しています。今後もヒトBATの生理的役割などについて研究を進めていきたいと思っています。