茨城キリスト教大学

2017年度リンネ大学への海外留学生 NH 12月分報告書

【スウェーデン】リンネ大学
N. H.(現代英語学科)
Linnaeus University【SE】

12月に入ってすぐに新しい授業であるテロリズムが始まりました。今回も福祉と同じく短期間で知識を詰めこみ、授業の終わりに大きな課題を提出する形式です。宗教や歴史、国際関係学など多角的な視点からテロリズムを学んでいきます。毎回トピックが変わり、それについてディスカッションをしたりして学生全員の意見を聞くことができます。

私の中で一番印象に残った授業は学生の半分を悪、もう半分を正義と名付け、それぞれテロリストや政府に対しどのような措置をとるか議論したことです。私は前者に属し、グループ全員がその名の通り差別的で非人道的な考えを次々と出していきました。逆に正義側はテロリストにも国民にも平等で人道的かつ道徳的なアイデアを話しあっていました。最終的には相手に対するお互いの疑問点などを質問しあい、ある意味過激な(白熱したともいえます)議論をすることができました。多国籍なクラスならではの多角的な意見を交えた議論は、日本にいてはできないと思います。さらに、実際にテロが起きた地域から留学している学生もたくさんいて、テロが他人事ではない問題だと実感することができました。出てくる専門用語や知識は難しいかもしれませんが、興味がある学生は取ってみる事をおすすめします。

今月の13日にはVäxjöの教会で聖ルチア祭がありました。夕方の合唱は有料でしたが、お昼は無料だったので友人と共に観賞することができました。頭にろうそくのリースを付けた聖ルチア扮する女の子が中心に立ち、ほかの女の子は白い服を着て天使になりきってスウェーデン語の歌を数曲歌っていました。この祭は北欧や南欧で主に祝われており、友人によるとスウェーデンでは子供はほぼ義務で参加させられることがあるようです。頭にろうそくを付けることによって事故が起こらないかと見ていて不安になりますが、それはそうそうないことで、たまに髪の毛が燃えるくらいだそうです。

クリスマスはスーパー以外のお店は閉まってしまいます。ですが公共の乗り物は動きますので、友人の実家にホームステイさせていただくことになりました。その街はVäxjöから1000kmほど離れたUmeåというところにありました。スウェーデン北部で最大ともいわれるこの街は冬になると-10℃くらいまで冷え込み、ほぼ毎日雪が降るので一面雪景色が広がっています。観光をすると、川が凍っていてそのうえに雪が積もっていました。茨城はそこまでの積雪もなく、川が凍るほどの寒さにもならないのでその光景にびっくりしてしまいました。

友人の案内で新しくできたという図書館に行ってみると、中に「女性の歴史博物館」という展示も存在していました。日本からすると、スウェーデンは男女平等が進んでいるにも関わらず、それでもまだ足りないと感じているようです。特にこの展示は職業における男女格差などを訴えており、身近に感じられる話題だと思いました。そして、そのような展示を公共の場でやる大胆さや勇気もこれからの日本女性にも求められていくのではないのではないでしょうか。

時が過ぎるのは早いものであっという間に約半年が過ぎてしまいました。大学で英語を学ぶのではなく、英語を使って専門的なことを学ぶことは当然楽なものではなく、時には己の力不足を痛感することもありました。ですがリンネ大学で日本では学ぶことができない授業を取ることができ、更に単位も修得出来たことは価値のある経験だったと思います。ほかの大学から来ている学生は皆1年や2年の留学で、私たちだけ短い期間で終わってしまいますが、短いなりにスウェーデンを楽しめました。無事に日本に帰れるよう祈ります。

Tack så jättemycket för alla och gott nytt år från Sverige! Vi ses!