茨城キリスト教大学

2025年度リンネ大学への海外留学生 MW11月分報告書

【スェーデン】リンネ大学
M.W.(現代英語学科)
Linnaeus University【SE】

2025年度11月分報告書

11月に入り、本格的な冬に向かい気温も徐々に下がってきました。

11月中旬、ヴェクショーでは今年初めての雪が降りました。その夜、寮の友人たちと外に出て雪合戦を楽しみました。初めての雪の日は、その非日常感も相まって、とても楽しい気分で過ごすことができました。しかし、楽しさは初日だけでした。次の日から、毎日の通学が急に時間のかかるものになりました。外は氷点下である一方、寮の中は常に暖かく快適です。部屋の暖房が本格的に稼働する前から、室内は日本より暖かく感じるほど断熱性が高くスウェーデンの住宅技術の高さに毎日驚かされています。

現在、民主主義についての授業を履修しており、先日、セミナー形式でロールプレイングによる会議を行いました。

学生がそれぞれ役割を持ち、政治家や市民団体の代表などになりきって議論を交わすという内容でした。日常会話であればほとんど困らずに理解できますが、この授業では専門的な単語が次々に登場し、議論が白熱すると学生たちの話すスピードが一気に早くなります。そのため、議論の流れに追いつけず理解できない場面も多くありました。「民主主義」という概念自体は知っていても、多様な社会問題に関わる語彙や議論の進め方は容易ではなく、英語で学ぶことの難しさと奥深さを実感しました。驚くべきことは、クラスメイトの多くが英語のネイティブではないにもかかわらず、非常に流暢に議論できるという点です。国籍はバラバラですが、みんな迷いなく議論を進めていました。なぜこんなにも自然に英語で話せるのか疑問に思い、複数の学生に理由を聞いてみました。しかし返ってくる答えは驚くほどシンプルで、「小さいころから英語のテレビ番組を見ていたから」という一言で終わってしまうのです。日本語を話せる友人に聞いても同じように、「子どもの頃から日本のアニメを見ていた」と言われました。その友人と一緒に日本のアニメ映画を見に行った際にも、興味深い経験をしました。映画の音声は日本語ですが、サブタイトルは英語で表記されています。会場には中学生ぐらいの子どもたちも多くいましたが、彼らも問題なく楽しんでいる様子でした。その年齢でも字幕を追いながら物語を理解できるということに驚きました。私はすでに内容を理解している作品だったため、英語字幕を意識して見ていましたが、時々翻訳を理解できず「今の訳、本当に合っているのだろうか?」と感じる瞬間がありました。日本語では理解できる台詞でも、アニメ特有の比喩や心情表現が英語になるとまったく違う意味に聞こえる瞬間があり、その違和感から自分の英語理解の浅さを痛感しました。一方で、現地の学生たちはその字幕を違和感なく受け入れ、正しく理解しているように見えました。「同じ字幕を見ているのに、理解の深さがここまで違うのか」と思うと、日本と海外の人々の英語能力の差を強烈に実感しました。

私の大学では、1か月に1つの授業を集中して受講する形式が採用されています。

授業期間が終わると、次の授業が始まるまでに約1週間の休みがあり、その期間を利用してイタリアやイングランドへ旅行しました。また、次の授業の終わりにはアイスランドを訪れる予定です。北極圏に近い国で、雄大な自然と地球のエネルギーを感じられる国なので楽しみです。さらに、クリスマスシーズンには長期の休みが始まるため、チェコとドイツを訪ねる計画を立てています。11月は自分の英語不足を実感した月でした。英語で議論することの難しさを痛感すると同時に、自分に足りないものを明確に認識できるようになりました。また、子どもの頃からテレビやアニメを通じて自然に英語に触れる環境が、語学力に大きく影響していることを実体験として理解できたことも大きな学びでした。残りの留学期間では、授業内容の深い理解と英語力の向上に努めながら、異なる文化や背景を持つ人々との交流を大切にしていきたいと考えています。