2025年度10月分報告書
朝晩はかなり冷え込むし、日照時間もどんどん短くなっている。朝は8時を過ぎないと明るくならず、午後4時頃にはもう夕方のように暗い。外を歩いていると、すでに冬が近いことを肌で感じる。そんな季節のなか、初めて寒中水泳に挑戦してみた。足を入れた瞬間、想像以上の冷たさで息が止まりそうになった。心臓がギュッと縮むような感覚で、全身がびりっとしびれた。でも、上がってからは体の中がぽかぽかしてきて、信じられないくらいスッキリした気分になった。
正直、かなりギリギリだった。成績はBで、上から二番目の評価だったが、会話テストはE判定で、もう少しでfailだった。どうやら筆記テストでBを取れたおかげで、総合評価がBになったらしい。このあたりの仕組みは最初に説明されていたのかもしれないが、先生が全部スウェーデン語で話していたため、細かいところは正直理解できていなかった。授業中も先生がスウェーデン語でずっと喋っていて、本当にわからなかった。隣の学生が笑っている場面でも、なぜ笑っているのか理解できず、一緒に笑うしかなかったこともある。テスト自体は、日本で受ける言語の試験と形式は似ていて、文法や単語、読解などが中心だった。リスニングは三択問題で、形式だけ見ると簡単そうに思えたけれど、実際は想像を超えて難しかった。スウェーデン語は話すスピードが速くて、単語の切れ目がほとんど聞き取れない。聞き慣れない音の連続で、どこで文が終わったのかも分からないことが多かった。正直、半分以上は勘で答えたけれど、運よく五割くらい当たっていた。リスニングの割合はそれほど多くなかったのが救いだった。
も外食はとにかく高く、学生の身には厳しい。自然と自炊が中心の生活になっている。最初の頃は買い物の勝手も分からず苦労したけれど、最近はかなり慣れてきて、月3万円ほどに食費を抑えられるようになった。ここまで節約できたのは、1キロ250円ほどのパスタのおかげだ。ソースを変えたり、具材を少し足したりして、毎日パスタを食べている。日本にいたときと比べると、正直、食事の量も質も落ちていると思う。でも、自分で工夫しながら食べている分、それが楽しい。こういう日々を通して、限られた中でどうやってやりくりするかという“生き抜く力”が少しずつ身についてきた気がする。
内容は、宗教改革や王政時代の出来事を中心に、スウェーデンという国がどのように形づくられてきたのかをたどるものだ。授業は完全に講義形式で、先生がひとりで話し続けるスタイル。英語で行われているが、スウェーデン語の地名や人物名が頻繁に登場するため、最初はまったくついていけなかった。例えば「グスタフ・ヴァーサ」や「ウプサラ大聖堂」といった固有名詞が次々に出てきて、どれが人の名前でどれが地名なのか混乱した。それでも、少しずつ流れがつかめてくると、スウェーデンの歴史の特徴が見えてきた。特に印象的だったのは、宗教が国家の形成にどれほど深く関わっていたかという点だ。16世紀の宗教改革では、カトリックからルター派への転換が進み、教会の力が国王に吸収されていった。日本では宗教と政治を切り離して考えることが多いが、この国では宗教が国のアイデンティティそのものを形づくってきたようだ。そうした背景を知ると、街に多くの教会がある理由や、国旗に十字が描かれていることにも意味があるように感じられる。授業中は先生がスライドを使いながらテンポよく話していくため、気を抜くとすぐに置いていかれる。専門用語も多く、最初のころはこのスピードでノートを取れる人、すごいなと感心するばかりだった。けれど、慣れてくると耳が少しずつ英語のリズムを掴み、授業の構成も予想できるようになってきた。もちろん、まだわからない部分も多い。スウェーデン語が混じるたびに理解が止まるし、ノートに書ききれない内容もある。それでも、何度も聞いているうちに少しずつ単語が耳に残り、前回よりも聞き取れる言葉が増えているのを実感する瞬間がある。