茨城キリスト教大学

2019年度天津師範大学への海外留学生 AN 11月分報告書

【中国】天津師範大学
A.N.(文化交流学科)
Tianjin Normal University 【CN】

2019年度 11月分報告書

天津は内陸だから冬は身を切るような寒さになる。十一月の時点で秋とは思えないほどの寒波が訪れている。

それでもまだ中国の家、日本における東北地方に該当する父の実家よりは寒くないらしい。九月の中頃から私は本科の生徒の日本語のクラスの学習の見学をさせてもらっている。将来日本語の教員の認定試験を受けようと考えているので、参加して参考にさせていただいている。十月に中国の大きなお祭り、日本でいうゴールデンウィークのような「国慶節」というものがあり、国慶節が明けてからしばらくした後、「日本語における方言」について発表することになった。中国は方言によってほとんど言語として変わってしまうため、日本のように方言は気さくで親しみやすい存在ではないらしい。日本語の方言で、例えば茨城弁は「無型アクセント」または「平板一型アクセント」と呼ばれるアクセントによる高低差がほとんどない方言を使用しているのだが、四声と呼ばれる四つの音の高低差で意味を分けている中国人にとってアクセントの変化がないまたは非常に小さい方言はあまり理解できないという事実がわかり非常に興味深く感じた。

確かに日本語はアクセントにより多少意味は変わるもののそこまで重要視されない、というかアクセントがガタガタでもだいたい言いたいことは伝わる言語であるけれど、きっと意味が大きく変化する言語もあるのだろうなと当たり前のことだけれども再認識した。

彼らと方言は無くなるか無くならないかについて議論したりなどした際は、意見が真っ二つに割れた。方言は淘汰されるという人々と方言はファッションブランドとして残るだろうという人々に別れて意見を交わした。

著者が本来の授業として受けている中国語の学習の方にも少し変化があり、FクラスからEクラスに編入することになった。特別実力テストで良い成績をおさめたなどという訳ではなく、日本人にとってFクラスの漢字の授業や一部の授業はあまりに簡単だからということで今はEクラスに在籍している。漢字と言ってもだいぶ形が変わってしまっている上、ピンインとあわせて覚えなくてはいけないため、Eクラスの授業は非常に難しい。Eクラスに編入してから出来た友達とよく麻辣湯を食べに行くようになった。大学の近くには国際通りという名の食事店やコンビニが並んでいる通りがあって、そこにある花屋と珈琲店が合体した店や、日本料理店、麻辣湯の店などを友人と時々訪れるようになった。

中国にいて日本の映画を見る機会も増えた。

韓国人の友達の住んでいるホテルに遊びに行って、そこで彼女がダウンロードしてくれたものを見たり、日本人の先輩に誘われ、他にも中国人の日本語を学習している友人達と一緒に映画館に見に行ったりなどした。日本のアニメ映画は中国でも非常に人気であり、時々字幕付きのものが天塔やそのほかのモールに入っている映画館で上映される。中国人の日本語学習者の友達も、日本のアニメを見に行ったと話していた。

寮の方にも変化があった。ベトナム人の同居人が本キャンパスに移り、二人部屋の料金で登録していたため、ポーランド人の女性と同室になった。

この女性は一年間屋久島で暮らしていたため、日本語が大分話せるらしい。一緒の部屋になったので共に天塔駅の近くにある「天塔」という東京タワーのような電波塔に登ることにした。中は大体がエレベーターとなっており、最上階にお土産コーナーや食事処も存在する。ただし値段が非常に高い。寮の窓からでも見える大きなタワーで、休みの日などは人が大勢このタワーを登りに来る。中国の天気予報にはその日の空気の汚れ度合いなどが表示されるようになっていて、空気が澄んでいる日は非常に美しい景色が見れるのだが、空気が汚れている日はせっかく登っても良好な景色は見れない。

また、夕日が沈みかけている時間帯は非常に美しい景色が見れるので、時間帯を見てタワーに登ることも大切である。

外国人は天塔に登るためにパスポートが必要になる。部屋にいる時はあまり感じないが、あちこちでパスポートの提示を求められると、今自分は外国に来て生活しているのだなという緊張感が生まれる。