茨城キリスト教大学

2017年度韓瑞大学校へのデュアル・ディグリー留学生 AK 12月分報告書

【韓国】韓瑞大学校
A.K.(現代英語学科)
at Hanseo University 【Korea】

日本の皆さんこんにちは。韓瑞大学校は寒さが日に日に厳しくなり、毎日のように雪が降っています。約2年間毎月書き続けた報告書も今月で最後になります。そこで今回の報告書は、最後の難関の期末考査と2年間の留学の振り返りについてお話しさせて頂きます。

<期末考査について>

日本の大学とは違い、韓国の大学の定期考査の試験結果(=成績)は試験後1週間で開示されます。まず、成績の結果から述べますと、想像以上に良い成績をもらえることが出来ました。と言うのも、中間考査であまり芳しく無い手応えを感じていた教科があったからです。しかし、逆にそれら授業の勉強法や試験対策法を中間考査後に考え直し、期末考査では少なくとも中間考査よりは良い手応えを感じられました。テストは基本的に記述式の問題が多く、かつ問題数も多いので全ての問題に回答する事が出来ない学生も多く、私も時間ギリギリまで手に汗を握りながら問題を解きました。最後の考査で一番骨が折れた授業は、国際関係時事英語です。テスト内容は北朝鮮と弾道ミサイル・核兵器について、習近平政権、ASEAN、日韓関係、トランプ外交、ロヒンギャ難民、カタルーニャ独立運動、イスラム国家など、日本でも連日報道されている内容です。過去の話ではなく、現在の話なのでテストまでの間は常に最新の情報をチェックし、自分なりに問題の核の部分、改善に向けての策などを考える点が大変でした。ですが、振り返ってみるとこの授業が今学期で一番興味深かったとも思います。

<2年間の留学を振り返っての感想>

留学が始まって半年ほど経った頃、様々な国の友人たちと談笑をしている際、「よく1人で留学に来ようと思ったよね」と、しみじみ言われる事が多くありました。特に目白大学の先輩や友人たちからは「日本で韓国語を専攻していた訳ではないのに、1人で渡韓しようと決めたのはすごい」と、まじまじとした表情で言われた事が何度もありました。実は私も、全課程を終了した今だからこそ言えるのですが、過去の自分の選択が正しかったのかどうか迷うことがあり、その気持ちが私の心をぐらつかせ、自分の置かれた状況から前進する勇気が無くなりそうになる時が何度もありました。もちろん第1号として無事に学位を取得することが出来るのかどうかという不安もありましたが、今考えるとおそらく私自身の未熟さが招いた不安だったのではないかと思います。しかし2年間という長い留学生活を通して、英語、韓国語の知識は元より、生活能力や決断力、判断力、未知の物事にも果敢に挑戦する勇気など、環境が違うからこそ初めて吸収し高められた事が数多く存在し、それらはこれからの将来において、決してマイナスにはならないと今は確信をもって言えます。

そしてそれと同時に、私は無知であることこそが本当の恐怖であり、自分自身と自分の可能性を蔑視してしまう原因なのだと感じました。私の場合、留学に行く前は1人だったという事もあり、(自分で決意した留学でしたが)もちろん不安な気持ちになり、性格面からも知らず知らずの間に自分自身を追い込み、自分で自分の首を絞めていました。今思えばこれこそが無知がもたらした不安だったのだと思います。ですが、自分の足で一歩一歩着実に前進し、勉学・韓国での生活面で知識や真実を自分の五感で感じ、ふとした時に自分の視野や物事への見解の範囲が広くなるのを着実に感じました。知ってしまえばこちらのものです。授業も積極的に発言し取り組むことで、授業の内容理解が深まり、韓国語に関しても“もっと使いこなせるようになりたい”と勉学に対する姿勢が大きく変わり、寝る間も惜しんで勉強に取り組むようになりました。そして勉強する事、知らない事を知る事の楽しさや本懐が、更なる知識欲を駆り立て、学生としてとても濃い時間を過ごせたと思います。成績もどんどん良くなり、教授からも授業中のふとした時に嬉しい言葉をいただけるようになり、今年に関しては4年生の授業でも臆する事なく挑戦し、クラス1位になった時は心から嬉しかったのを覚えています。

こんな事を言えば大げさに聞こえるかもしれませんが、生まれてから21年間の中でこれほどまでに短く、かつ濃い2年間は無かったと断言できます。そして最近、留学に来る前から悩んでいた問題、自分の将来についての答えが出た気がしました。留学の前はただ漠然と大きく、私の目の前に立ちはだかっていたのですが、長いようで短かったデュアルディグリー留学を通して、答えが出た気がします。答えにたどり着くまでには、授業で学んだ内容、多国籍の友達とのふとした会話など、おそらく日本では感じ取ることすら出来なかったであろう要素が知識・見解として私の中に蓄積されていました。日本帰国後も磨き上げた行動力と、知識、勇気を糧に多くのことに挑戦して行くつもりです。2年間、私を支えてくれた友人たち、家族、大学関係者のみなさま全ての方々に心から感謝しております。ここまで読んでくださりありがとうございました。