茨城キリスト教大学

2018年来学時報告書

【中国】
広東海洋大学からの留学生
ソ カンイ
Su Guanwei

振り返りを書くのが辛かったです。一つ一つ銀河みたいに輝く記憶の欠片は言葉では言いにくい程美しかったので、別れを告げねばならぬ時が迫ってくることを考えると一層悲しく感じています。

詳しく自己紹介をしていきたいと思います。私は広東海洋大学3年生の交換留学生、蘇冠維です。分かりにくいかもしれませんが、私は自分のことをもっと知りたいからこの学校に来たのです。あえてこの引っ込み思案の自分を、知らない環境と人ごみの中に投げ入れ、自分の潜在的可能性を呼び起こそうとしたのです。以前極端な完璧主義者だったので、自分からよい点を何一つ見つけ出すことができませんでした。でも、この2ヶ月の間、私の願いはつぎつぎと叶い、自分のことも段々見えるようになりました。

趣味が多すぎるので、勉強が出来なかった時期からのコンプレックスを乗り越えるため、私は高校からこの学校に来るまでの6年間、殆どすべての娯楽を断ち、無駄にした時間を点数の代償と考え、勉強と読書に没頭する日々を続けていました。バイオリンは私の唯一の玩具でした。心が苦しくなるときはよく寮の屋上でバイオリンを弾いて気晴らしをしていました。こういう生活から逃れたいために、この学校に来て自分の本当にしたいことをしようと思ったのです。

この2ヶ月、まさか私の秘めていた長年の願いが殆ど全部自ら実現して、未来の道も段々はっきりとなりつつあります。光とも言えるものが、固くなった心に差し込んできたようです。ゴールデンウィークに10年の間互いのことを思いつづけてきた、小学校時代日本で知り合った友達と奇跡の再会を果たしたこと、みんなの前でダンスしたこと、国際交流課の6年ぶりの第2代目ポスターを書いたこと、英語を人前で喋ること。すべてすべて幼い時からの幻想だったことが、まさか2ヶ月の内に次々と叶うとは思いませんでした。

Hさんは最高のIC♡BUDDYのリーダーだと思います。出来る限り楽しい所につれて行ってくれて、時間をつぶしていつも最後まで私達のそばにいてくれます。音楽の才能もあって、2つの楽器も出来て、本当に想像外のことでした。心の温かい人で、困っている人を助けたいためはっきりと自分の目標を持っていて、すばらしいです、日本の未来はこういう若者達がいればきっと大丈夫だなあと思います。

国際交流課の先生達にも感謝しています。いつも変わらず丁寧に対応してくださり、本当に感謝しています。先日、国際交流課の先生がカナダの学生と一緒に太極拳に連れて行ってくださいました。中国の太極拳の趣を日本で分かるとはおどろきですが、ゆっくりとした柔らかさには内なる力と禅の精神はすっかり私を虜にし、これから何処に行っても太極拳を続けたいです。

毎週月曜日の夜、チャペルでの聖書の討論会に行くことは哲学志向の私にとってこの上ない幸せでした。新たな思想と出会うたびに感動します。この経験はきっと私の人生においてひとつ大きなことだと思います。

最後に私は寮母さんに感謝したいです。「寮母」とは寮の母の意味と自分なりに解釈しています。若草寮の寮母さんは正にそうだと思います。留学生にとって、口うるさい寮母さんだけど、毎日「いってらっしゃい、お帰り」を言ってくれる人が居ると思うと、暖かい何かが目から湧き出るほどです。ゴールデンウィークに、日本人の学生は皆家に帰り、寮母さんは私達の孤独を癒すかのようにおいしい料理を作ってくださいました。寮母さんのお蔭で異郷の日本に一回も孤独を感じませんでした。