
白井晟一入門
第1部/白井晟一クロニクル 2021年10月23日(土)~12月12日(日)【終了】
第2部/Back to 1981 建物公開 2022年1月4日(火)~1月30日(日)
本展は、初期から晩年までの白井建築や、その多彩な活動の全体像にふれる、いわば白井晟一の“入門編”となっています。
第1部では白井晟一の設計した展示室でオリジナル図面、建築模型、装丁デザイン画、書などを、白井晟一研究所のアーカイブを中心に展示し、その活動をたどっています。
第2部では、晩年の代表的建築のひとつである松濤美術館そのものに焦点を当てています。長年、展示向けに壁面等が設置されている展示室を、白井氏がイメージした当初の姿に近づけ公開する予定です。
美術館入口すぐには、<ノアビル>と<原爆堂計画>の1/50模型が設置されており、さっそく白井建築を体感することができます。
“作品のない展示室“という大胆な構成で白井イズムを伝えようとしている本企画について、今回も松濤美術館の学芸員さんと会話をしながらご紹介していきます。
木原さん 「本来の開放的な構造に戻したことで、対角線上や階層別に池や噴水・展示を見ている人の動きが見えるのが新鮮です。白井は単なる美術を鑑賞する箱ではなく、中心に人が集まる(交流を生む)建物を造りたかったのだと思います。」 |
平泉さん 「美術に触れたら外に出る、建物の“内”にいながら“外”にも接するという不思議な感覚を味わうことができます。極端な話、この吹き抜けの空間が無ければ相当数の作品を展示できると思うのですが、人間が生きていくうえで必要な時間や空間を大切にしていたからこその設計なのではないかと推察しています。」 |
木原さん 「緊張せずに、柔軟な心持ちで美術に触れあってもらうために、このような構造にしたのだと思います。白井と渋谷区が必死に模索して出した“新しい美術の形”がこの展示室に体現されていると思います。」 |
平泉さん 「白井は開館2年後に逝去するまで、この茶室によく足を運んではくつろいでいたそうです。白井建築の中には茶室のある個人宅も多く存在しますが、当然一般人が気軽に立ち入ってみることはできません。極めて珍しい“誰でも見ることができる茶室”、会期中にぜひご覧ください。」 |