学校法人茨城キリスト教学園

アンネのバラ


『アンネの日記』で知られるアンネ・フランク。
学園には、そのアンネ・フランクの父が作った 「アンネのバラ」が植えられ、今もアンネの思いを紡いでいます。

そのバラは次第に色が変わり、つぼみの真紅の色がアンネの生きようとする強い意志を、花の黄金色がその優しさと清楚さを、そして、散り際のピンク色が平和への願いを象徴しているかのようです。
学園は皆さんの心の庭に「アンネのバラ」をお届けします。

アンネ・フランク
悲劇の少女と
『アンネの日記』



ベルリンのアンネ・フランク・ツェントルムに展示されている『アンネの日記』
アンネ・フランクは、1929年に父・オットーと母・エーディトの次女として、ドイツのフランクフルトにユダヤ人として生まれました。

やがてナチスが台頭し、ユダヤ人迫害を始めると、フランク一家はそれらを避けるために、オランダのアムステルダムへ移住、父・オットーの経営する会社兼倉庫の屋根裏部屋を『隠れ家』として居住することになりました。
『隠れ家』には、フランク一家以外にもうひと家族(いわゆるペーターの一家)と、歯科医フェファー氏も住むことになりましたが、密告によってナチスに『隠れ家』の存在が知られてしまいます。
 
1944年8月、『隠れ家』に突入したナチスによって住人はすべて連行され、強制収容所へ送られ、アンネ・フランクは終戦の直前、送られた収容所でチフスにかかり、15年の短い生涯を閉じることになりました。
そして終戦後、『隠れ家』の住人の中で、唯一生還できたのは、アンネの父オットー・フランクただ一人でした。
オットーは、『隠れ家』の生活を支援していたミープ・ヒースより保管していた『アンネの日記』を受け取り、出版しました。

Souvenir d'Anne Frank
(アンネ・フランクの形見)
『アンネのバラ』



アンネ・フランクの写真
生還したオットー・フランクは、やがて生前アンネが野バラを好んでいたことを思い出しました。そこで、ベルギーの園芸家デルフォルゲ氏に頼んで、アンネが好んでいたバラから新種のバラを作ってもらうことにしました。こうして誕生したのがSouvenir d'Anne Frank(品種名:アンネ・フランクの形見)、「アンネのバラ」です。
 
このバラはつぼみから散るまでに次第に色が変わります。つぼみの深紅、開花は黄金色、散り際はピンク色になります。
深紅の色がアンネの生きようとする強い意志を、
開花の黄金色がその優しさと清楚さを、
そして、散り際のピンク色が平和への願いを象徴しているかのようです。
そこにはアンネの願った「命の尊さ」、「平和の大切さ」が込められているのです。
 
ちなみに、このアンネのバラは四季咲きのバラで、手入れ次第では一年中咲かせることができます。
本学園では晩秋に大きく剪定をし、春にいっせいに開花するようにしています。
 

茨城キリスト教学園と、
アンネのバラの出会い



キリスト教センター横に咲く『アンネのバラ』
今から40年以上も前、聖イエス会スミルナ教会のしののめ合唱団という聖歌隊がイスラエルを演奏旅行をしました。その際、ナタニアという海辺の小さな町のレストランで偶然にもアンネの父オットー・フランクと同席したのです。
しののめ合唱団は、即席で日本の童謡などを披露し、それに感激したオットー・フランク氏が10本の苗木をプレゼントしてくれたのです。
当時植物の輸送や検疫がとても厳しく、日本に届いたころには1週間以上も放置され、受け取った10本のうち9本が枯れてしまいました。しかし、残りの1本は無事に日本で根付き、今でも大きな花を咲かせています。
 
1994年12月、アンネのバラは近隣の聖イエス会マリヤ教会から本学園に寄贈され、翌年1995年に初めて開花しました。
そして、2000年より茨城県内の幼稚園・保育園、小中高の学校、養護施設や老人ホームなどに、株分けした苗木を配布しています。
 

「アンネのバラ」を皆さんの心の庭に。

茨城キリスト教学園では、平和を願い命の尊さを学ぶ活動の一つとして、「アンネのバラ」を接ぎ木して、毎年希望する団体に苗木をお贈りしています。
苗木はこれまでに約400本を県内の幼稚園や小学校、中学校や高校、養護施設、個人商店などに贈られました。
校庭や花壇に植えられた「アンネのバラ」を育てることで、平和の大切さと命の尊さを子供たちが学んでいるとのお便りをいただき、大変嬉しく思っています。

 
なお、バラの苗木配布は那珂市の園芸家・浅野 益之さんにご協力いただいており
学園のバラは、バラ愛好家の鯨岡 浩子さんのお世話をいただいています。
 
 
また、本学に咲くアンネのバラの美しさと意義に心打たれ、地元の作詞家、作曲家の方が「シオンのバラ」という歌を作って下さいました。大切に伝えてゆきたいと思います。
 

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