白井晟一入門
第1部/白井晟一クロニクル 2021年10月23日(土)~12月12日(日)
第2部/Back to 1981 建物公開 2022年1月4日(火)~1月30日(日)
本展は、初期から晩年までの白井建築や、その多彩な活動の全体像にふれる、いわば白井晟一の“入門編”となっています。
第1部では白井晟一の設計した展示室でオリジナル図面、建築模型、装丁デザイン画、書などを、白井晟一研究所のアーカイブを中心に展示し、その活動をたどっています。
第2部では、晩年の代表的建築のひとつである松濤美術館そのものに焦点を当てています。長年、展示向けに壁面等が設置されている展示室を、白井氏がイメージした当初の姿に近づけ公開する予定です。
美術館入口すぐには、<ノアビル>と<原爆堂計画>の1/50模型が設置されており、さっそく白井建築を体感することができます。
1960年代以降、急速な経済成長を遂げていく日本で、建築家は国民のための住宅供給から、都市空間そのものの建設へと主たる関心を移していた。 また、白井はこの時期、人間生活の秩序のためには「個我の妄執をうち破る人間以上の力を持つ存在を畏敬する感情を欠くことはできない」と語っていた。だからこそ『キアラ館』などの既に信仰を持つ人々のための施設だけではなく、東京の商業テナントビル『ノアビル』など不特定多数のための場所においてもより一層の象徴性や超越性を帯びた造形を施した。 |
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-『白井晟一 入門』p.101より引用・一部編集 |