学校法人茨城キリスト教学園

【インタビュー】
大学&認定こども園の連携教育~総合学園のメリットを生かした学びの展開~

キリスト教の教えに基づいた保育や、“遊び”を中心とした教育により、子どもたちの成長を育んでいる認定こども園。学びの一環として、茨城キリスト教大学との連携による教育が展開されていることも大きな特徴です。

今回ご紹介する連携教育の事例は、大学文学部現代英語学科による『Education Activities』の授業。
J-SHINE(小学校英語指導者資格)の取得を目指す学生たちが、幼児の発達段階に応じて作成した教材活動を実践する実習先のひとつに、認定こども園みらい園を選択することができます。


授業を一緒に過ごす学生と園児で、まずは笑顔で挨拶&ハイタッチ
 
身の回りの英単語を仕掛け付きの絵本でレクチャーしたり、実際にその動作をしながら身体で英語を覚えていきます。

楽しい英語の絵本に園児も興味津々。徐々に学生と園児の距離も近くなり、互いに笑顔で授業を終えました。


実際にみらい園の園児に英語教育を実践した学生たちに、お話を伺ってみました。
 
現代英語学科
1年 ビネリ・ファブリジオさん(左)
2年 佐川 結依さん(右)

新妻
本日はお疲れ様でした。おふたりがこの実習授業を取られている理由はあるのでしょうか?


佐川さん
指導者を目指す学生にとっては必修の授業だから…というのが一番の理由ですが、同じ実習時間を確保しないといけないのであれば、多くの子どもたちに実際に触れあってみてから社会に出たかったんです。なので、実習時間の半分は小学校、そしてもう半分はみらい園を選択しました。ちなみに、小学校は近くにある<大みか小学校>が受け入れ先として協力してくださっています。


ファブリジオさん
僕も必修だから…なんですけど、本当、なんとなくです。正直。こども園で実習できるって、楽しそうだったからですね。


新妻
(笑)ふたりとも素直に答えていただいてありがとうございます。では、今回の実習で心がけていたことや、そうは言えども実際にどうだったのか、感想を教えていただけますか?

佐川さん
普段は学生同士でシミュレーションをやっていて、どうしてもリアリティーに欠けてしまうところがあるので、こういう機会は貴重ですね。やっぱり実際に園児を目の前にすると、気づきと学びの連続です。もはやシミュレーション通りに行くことのほうが少ないかもしれません(笑)。全体の進め方一つとっても、より園児が飽きずに楽しくできるような改善点があるなと思ったら、気づいた時点で振り返りをしています。

実習中や終了後、合間を見つけては振り返りと改善を行っています。


ファブリジオさん
幼いからと言って、僕たちの指導や言動って、後からふと思い出したり、とにかく、“記憶”に残っているものなんですよね。だから、当たり前ですがきちんと目の前の園児に向き合い、“面白かった“と”学びになった“の両方の機会を与えられるように心がけています。絵本の仕掛けが少なければ飽きてしまうし、かといって多すぎると、ただただ楽しいだけで、何も学びを与えられなかったり…難しいのですが、最も意識しているポイントです。
 
新妻
先ほどはなんとなく受講した…と仰っていましたが、しっかり、真面目に園児に向き合っているんですね。感心しました。


ファブリジオさん
目の前に僕たちの反応を見て喜んでくれる子どもたちがいたら、やっぱり、より良い授業をしたいって思いますよ。

 
英単語を教える絵本は4~5人の学生グループで役割分担をしながら1か月ほどかけて構成~作成まで進めるそうです。

ファブリジオさん、佐川さん、ありがとうございました。



 

今回の連携教育を受けて

大学側には、“教える”のではなく、園児と“楽しみ・遊びながら”取り組んでほしいとお願いしています。園児は遊びの中からこそ様々な学びを発見するからです。はじめこそ学生・園児双方緊張していましたが、徐々に一緒に過ごす時間を楽しめるようになりました。 最近では園児にとって英語がとても身近になったようで、喜んで学生に関わりながら英語で挨拶する姿や、普段の園生活の中でも「英語で言って!」と話してきたり、学生が教えてくれたゲームをクラスで繰り返し楽しむ姿も見られます。 今年度からは、事前に大学とこども園でカリキュラムのねらいや内容の共有や情報交換をすることが、それぞれの教育現場の有意義な時間につながったと手ごたえを感じております。引き続き協力体制を整えていき、さらに充実した英語学習のカリキュラムを組み立てていきたいです。

認定こども園 みらい園  副園長・担任
茨城キリスト教学園では、このような園児の心に寄り添った<援助の工夫>と、園児の興味関心を尊重する<環境の工夫>による活動を続け、園児とかかわる教職員・学生の双方の成長機会の提供を図っていきたいと思います。