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【インタビュー】全国金賞!中学校コーラス部の軌跡 顧問・赤津邦子先生に聞く
【インタビュー】全国金賞!中学校コーラス部の軌跡 顧問・赤津邦子先生に聞く
2022年10月30日(日)第75回全日本合唱コンクール全国大会(青森県)が開催され、中学校部門同声合唱の部で金賞を受賞した中学校コーラス部。今回は、<全国大会初出場・金賞受賞>という栄誉に導いた本校で30年以上顧問を務める赤津先生に、着任当初を振り返りながら今回の結果に至るまでの軌跡をお話いただきました。
中学校 赤津邦子 先生(中高コーラス部顧問)
コーラス部活動内容・大会結果についてはこちら
【youtube】全日本合唱コンクール 中学校部門受賞時の様子(5分17秒から)
着任当初のコーラス部
新妻
本日はよろしくお願いします。さて、今でこそ本校を代表する部活動になっているコーラス部ですが、赤津先生の着任当初のエピソードがありましたら教えてください。
赤津先生
着任時は【音楽部】として音楽全般が内包されているような部活で、しかも部員は2人と、ほぼ休部状態でした。しかし、学生時代からコーラスをやってきた身としては(高校時代に全国大会に出場しました)、やはりコーラスの文化を広めたく、「歌でコンクールに出てみようよ」と声掛けしたところ、30人以上が集まってくれました。とはいえ、中学生ですと、歌うこと自体が初めてだという子も多く、最初は結果が出なかったり、練習の途中で帰ってしまう人もいましたね。
少しずつ実績を積み重ね、初の全国出場へ
新妻
そんなコーラス部、どのようにして全員の心をあわせながら実績を積み上げてきたのでしょうか。
赤津先生
私たちは「軌跡で奇跡を」というスローガンのもと、練習に励んでいます。奇をてらったような練習方法はありません。とにかく、「ここはどんなシーンだろう?」と1ヵ所1ヵ所突き詰めながら練習するだけなんです。
讃美歌など、外国語の歌を歌う時でも、部員たちは言葉の意味や情景を考えながら、発音・表情・声量を意識して歌う。
そのひたむきさが結果につながったのが今回の全国大会です。今回の自由曲「森へ」という曲は、世界の子供たちが作った俳句をもとに自然や生命の大切さを歌った作品でした。高度な歌唱技術も必要とされる難易度の高い曲で、合唱するには通常40~50人の人数を要します。しかし、私たちの外部講師の先生が、特に3年生の元気さ・真面目さ・健気さを見て、彼女たちならできるのではないかと提案してくださり、半分の23人編成で出場し、全国大会で金賞を収めることができました。
自由曲「森へ」の譜面には、赤津先生による解釈や表現方法などのメモがびっしりと書いてあります。
また、副顧問の圷理恵先生の存在も大きいです。彼女も私の中学時代の教え子であり、こうして本校に戻ってきて一緒に歌に向き合えていることが本当に嬉しいです。
圷先生は、自然とサポートすべき場所に立って指導してくれる以心伝心の存在だと赤津先生は語ります。
新妻
圷先生との関係性も含め、とても素敵です。最初こそモチベーションが保たれず帰ってしまう生徒もいたとのことでしたが、今では卒業生とのコネクションが強固になり、全員一丸でコーラス部を創り上げていることが伝わります。
赤津先生
そうなんです。今では卒業した後も練習を見て、アドバイスをくれる卒業生も増えました。
コーラスを通して得られるもの
新妻
さて、ここまでコーラス部の軌跡について伺ってきましたが、ずばり、コーラスを通して得られるものはなんでしょうか?
赤津先生
シンプルに言うと、コーラスを続けてきた生徒はみな「協調性が育っていく」んです。合唱はひとりではできないものなので自然と周りを意識するようになります。それが行動にもつながり、周りを見て行動すること、今自分が求められているものを理解して行動することができるようになります。そこに加えて、特に私は「あいさつ」や「感謝」など、当たり前のことを当たり前にやれるよう指導しています。“あなたたちは歌う場を与えてもらっている”ということを常日頃伝えていると、それが生徒たちのあいさつや言葉遣いなどの言動につながっていきます。
新妻
確かに、練習を拝見させていただいて感じたのは、“誰が何年生か分からない”ということでした。先輩風を吹かしている様子もなく、やみくもに先輩の言うとおりにしている後輩の姿もない。全員が一様の責任感と緊張感を持ちながら主体的に取り組んでいる姿が印象的でした。その中でも、ふとした時に見える仲の良さ、中学生らしい笑顔はこちらをほっとさせてくれますね。
赤津先生
そうなんですよね、特に今の3年生は同級生に恵まれたといつも言っています。卒業してもかけがえのない仲間として、変わらず付き合っていってほしいなと思います。
先輩メンバーは「あくまで少しだけ経験量が多いだけ」というスタンスで後輩に対してもフラットにアドバイスをしていました。
今後の展望
新妻
さて、最後に中学校コーラス部の今後の展望について聞かせてください。
赤津先生
新型コロナウイルス感染症の影響により、まだまだ声を発するコーラスは全国的にも冷ややかな目で見られることが多く、数ある部活動・有志の団体においても、活動人数が減ってきているのが現状です。そんな中でも、今回の全国大会金賞という結果や、生徒たちの活躍を見て、「ぜひ茨キリ中で歌を歌いたい!」という生徒・保護者の皆さまが増えてくれれば嬉しいです。世界を見渡しても尚、まだまだ不安な空気が拭えないように感じる昨今ですが、歌の素晴らしさを分かち合える同志を増やし、前向きな気持ちで歌っていきたいです。
本校では、"心豊かで、実力のある、自立した国際人の育成"という教育理念を掲げています。コーラス部は、まさにこの理念を具現化した部活動で、周囲に何をGiveできるか常に考えている「自立した」、自分自身の技術向上にも集中して取り組むだけの「実力があり」、歌詞に徹底的に向き合うことで多様な文化に触れ合う「心豊かな」「国際人」が育成される環境があると感じました。
【お知らせ】NHK「いば6」にてコーラス部が生出演します!
昨年に引き続き、12月14日(水)に、NHK茨城県域で放送の「いば6」にて、昨年に引き続き同週17日(土)開催の学園クリスマスのお知らせを兼ねて中高コーラス部が生中継で合唱を披露します!(放送予定時間:18:10~)一足早いクリスマスをぜひオンエアでお楽しみください。
学園クリスマス特設ページはコチラ
メディア出演情報についてはコチラ
昨年の生放送のようす
生徒たちにも出演前の意気込みを聞いてみました!
部長 3年 勝扇あかねさん(写真:右)
「お客さまの前で歌う機会も増えてきたとは言え、カメラの前で歌うことは他とは違う緊張感があります。去年の生放送にも出演させていただきましたが、あの時のドキドキは今でも鮮明に覚えています。でも、テレビのおかげで普段私たちがリアルに会えない人にも声が届いていると思うと不思議な気持ちになります。」
副部長 3年 長山未和さん(写真:左)
「今回また生放送の出演依頼をいただけたということは、私たちの想いが届いたということなのではないかと思います。今年は良くも悪くも全国に出場した団体という目で見ていただくことになるので、自信と責任の両方を持って、一生懸命歌います!」
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