学校法人茨城キリスト教学園

【イベントレポート】
女子陸上競技部・全国駅伝出場メンバーが日立市長を表敬訪問しました。
~“自主・自律の精神”を養う環境づくり~

第33回全国高校駅伝競走大会に茨城県代表として2年連続24回目の出場を決めた高校女子陸上部。12月8日(水)、関山監督と選手5名が小川 春樹日立市長を表敬訪問しました。一人ひとりの“自主・自律の精神”を養う環境が今回の「完全優勝」の要因であることが、監督や選手の言葉から伺うことができました。

第33回全国高校女子駅伝競走大会茨城県予選において、全区間で区間賞を獲得する「完全優勝」の偉業を成し遂げた選手はこちら。

写真左より
名前 学年  区間 
後藤 凛那 さん 2年 1区
小野 真緒 さん 2年 2区
渡邉 珠有 さん 2年 3区
山形 一華 さん 1年 4区
袴塚 乙愛 さん 2年 5区
表敬訪問当日、日立市役所の待合室では緊張の面持ちで市長との対談を待つ選手の姿が。
しかしそれも束の間、日立市職員の皆さんに市長室入口まで拍手で出迎えられると、次第に晴れ晴れとした表情に変わっていきました。

市長との対談の様子

およそ30分の対談の中で、小川市長に感想を述べる選手たち。


1区・後藤さん
「1区を走るということで不安になった時もありましたが、家族や仲間に励まされ、スタートラインに立った時には不安は消えていました。先頭を走るのは楽しかったです。」

2区・小野さん
「2年連続で2区を走るということで、“去年の自分のタイムを超える!“という一心で走りました。さらに差を広げられて良かったです。」

3区・渡邉さん
「昨年も全国大会に出場した二人の圧巻の走りで2位との差を広げてくれたので、自分らしく、楽しみながら走ることができました。」


4区・山形さん
「高校に入ってからは初の駅伝出場。緊張もしていましたが、先輩方が後ろとの差を広げてくれたので、自分はのびのびと走りきることができました。」


5区・袴塚さん
「プレッシャーに押しつぶされそうな時期もありましたが、自分たちにできることをやりきって迎えた大会直前は、ワクワクが止まらず、早く走りたい、そして一番でゴールして皆と笑顔になりたい気持ちでいっぱいでした。」

選手たちの素直な想いを真剣に聞いてくださる小川市長。その後、お祝い金や日立市のグッズ(練習中に役立つようなタオルや“ひたちの水”など)をいただき、選手からは完全優勝を祝したポスターをお渡ししました。

対談終了後、報道機関のインタビューやサインに応える選手たちを見つめながら会話をする市長と校長・監督の話に耳を傾けると、こんな話も伺うことができました。


今回の「完全優勝」の背景には、生徒の“自主・自律の精神”を養う環境づくりが整備されていたことがあるようです。

“自主・自律の精神”を養う環境づくりにおける5つのポイント
 
<1.文武両道>
強豪校だからと言って、選手5名含む陸上部の生徒は、学業より部活動を優先しているわけではありません。他の生徒と同じくフルで授業に出たのち、部活動に励んでいます。極めて一般的な日常生活の中で、自分自身を律し、自身の目標が達成できるように、思考と行動を繰り返しています。

<2.指導方針>
そんな限られた部活動の時間で関山監督は「最小限の指示で、あとは自身に自主自律してもらう」スタイルで選手に向き合っているそうです。自分の体を熟知したうえで、目標に向かって今何をするべきか判断し、自ら動くことができることが、チームの強さの秘訣です。その強さはコロナ禍においてもぶれず、緊急事態宣言下でチームとして集まることができなかった期間も、自律して、自身の課題解決のための練習ができていました。

<3.少数精鋭>
そんな自主的な生徒を育てていくために、コミュニケーションを密に取っていることも特徴です。長距離のメンバーは全10名。少数精鋭の形態を取ることで、監督と選手、また選手どうしが、些細なことでもすぐに相談できる環境があることは、適切な自己管理と練習を重ねる上での大きな強みとなっています。

<4.周囲への感謝>
選手は皆、自宅から通学しています。日々の厳しい練習に取り組む選手にとって、家族や昔からの友人が近くにいること、自分自身が育ってきた地域で走れていることは精神的な支えや原動力になっています。関山監督は「決して自分一人の力ではなく、周囲の支えがあるからこそ、日々頑張ることができる」と常に選手に伝えています。感謝の気持ちが常にあるからこそ、選手は努力し続けることができるのです。

<5.見極め力>
そして、ここまで自律した生徒が揃っているのは、関山監督の“見極め力”に他なりません。見極めているポイントは大きく二つ。一つは勧誘時における「他のどこでもない、“本校で強くなって”全国を目指したい」という意志の強さがあるかをチェックしています。もう一つは、実際に入部してくれた選手に対し、それぞれの個性がどんなところで、どのような接し方や練習メニューだったら伸びるか、という点を思考されています。選手のマインドとスキルの両方を正しく見極められる監督だからこそ、このように実績が伴っているのです。


最後に、全国大会への意気込みを聞かれた後藤選手は、「全国のレベルに触れられる都大路(全国大会)はとても貴重な機会です。自分たちらしい走りをして、1時間10分台・20位以内を目標に頑張りたいです。」と意気込みを語りました。


女子第33回全国高校駅伝競走大会は今月26日(日)に京都市で開催されます。
女子陸上競技部・駅伝メンバーの皆さん、頑張ってください!