学校法人茨城キリスト教学園

NHK水戸放送局長による初の高校生を対象としたメディアリテラシー講演会が開催されました。

2022年12月16日(金)、NHK(日本放送協会)水戸放送局・小川航局長による、本高校1年生を対象とした、メディアを正しく理解し・付き合うためのメディアリテラシー講演が開催されました。今年7月に水戸放送局の局長に就任されるまでの政治部取材記者としての経験談をもとに、社会を自分事として捉え、身近なものから世界を巻き込む規模のものまで存在する様々な“情報”を扱う上でのルールやマナー、そして危険性(リスク)について、ご講話いただきました。

 

NHK水戸放送局 小川 航 局長(写真中央)

神奈川県横浜市出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、NHKに記者として入局。
政治部で長く活躍され、経営企画局を経て、2022年7月に水戸放送局局長に就任。
NHKは全国各地の小学生を対象にメディアリテラシー活動を展開していますが、高校生にこのような講演をしてくださるのは全国でも初めてということで、大変貴重な機会をいただきました。

前半は、『Chapter1:いま私たちを取り巻く情報環境~受け手と知ってほしいそこに潜むリスク~』と題し、身の回りで起こっているプロパガンダ(特定の思想によって個人や集団に影響を与え、その行動を意図した方向へ仕向けようとする宣伝活動)やフェイクニュースへの対策について、NHKで放送された番組等も織り交ぜながらご説明いただきました。


SNSを活用すればするほど、フィルターバブル(インターネットの検索サイトが提供するアルゴリズムによって、ユーザーが見たい情報だけに囲まれてしまう状態)の中に考え方や価値観がとらわれていないかを点検すること、フェイクニュースが広まってしまう最たる要因は『口コミ』であることから、不確かなこと・怒りや不安を感じた時こそ拡散を控えることが大切だと述べる小川局長


後半は、『Chapter2:確かな情報にたどり着くために~体験的『取材』論~』と題し、取材記者として情報と向き合う際に心がけていたことをお話いただきました。

外務省キャップ(記者のとりまとめ役)時代にご自身が出演したニュース映像を使い「裏付け」の大切さを解説


記者は『歴史の証言者』であることから、裏付けが取れた“確かな情報”のみを発信する義務があると語る小川局長。また、インターネットで中傷を受けたプロレスラー木村花さんが、2020年に自死された事件を扱った番組を視聴し、発信する場合は、情報の受け取り手がその文言を見たときにどう感じるか、傷ついていないかを考えることも大切だと教えてくださいました。

また、講演後は本校生徒が普段テレビ番組に触れている中で感じる素朴な疑問・質問に多数ご回答いただきました。

「メディア関連の仕事に必要な力は?」という質問に対し、「様々な物事に対する飽くなき探求心」と強く語る小川局長の姿に、生徒たちは目を輝かせていました。


講演後の感想を、本校ランドル.W.ヴォス校長にうかがいました。



今年4月からの成年年齢の引き下げが施行されたことにより、2年もすれば“大人”とみなされる高校1年生に対して、少しでも早くニュース・政治に触れてほしいという想いから、今回の講演の場が実現しました。大人になって世界が広がるほど必要となってくるのが“情報を見極める力”です。きめ細かい配慮のもと、国民のもとに早く・正しく・中立な情報を届け続けているNHKの方からメディアリテラシーについてご講話いただけるのは本当に光栄な機会でした。


参加した生徒のコメント(一部抜粋)
  • ネットの情報の影響力というものは発信者と情報を受け取る人の弱い心が関係しているため一旦冷静になって考えることが大事だとわかりました。僕も情報を信じやすい人間なので色々な見方ができるようにしたいです。
  • 自分の言葉で誰かが傷つくかもしれないということを理解して自分の言葉に責任を持ちたいと思いました。また、一つの情報を鵜呑みにするのではなくいくつかの情報を比べて正確な情報を信じたいです。
  • NHK のニュース番組や民放のニュース番組を見る機会が多いのですが、実際本当に信じていい内容なのか、NHK と民放のどちらを信じればいいのかなど疑問に思っていたところを、小川局長がわかりやすい説明をしてくださってニュース番組への信頼性などがまた深まりました。元々ニュースをもとに今日本や世界で何が起こっているのかという情報を取り入れていたので、今回の話を聞いてフェイクニュースなどに気をつけながらこれからも利用したいと思いました。
  • SNSでの"いいね"が情報拡散の一つになっていることに驚きました。私自身,"いいね"が多くついている投稿は支持を得ている情報として、信用してしまっていた点があった為、情報拡散・発信の認識を誤っていたので情報の取り扱いをより一層真剣に責任を持って関わっていきたいと思いました。
  • お話を聞いていて普段長く感じる 2 時間もあっという間な 2 時間でした。今の社会だからこそ起きてしまう、誤情報の拡散。鵜呑みにせずにしっかりと吟味して、確かな情報を得ることができるようにしていきたいと思います。また自分から発信する際にも、曖昧な表現だったり、不確かな情報を伝えるのではなく、正しい情報を、確実な言葉選びで発信していきたいと思います。 また、感情的になり突発的に誰かの悪口を書き込んでしまったり、誹謗中傷をしてしまうことは絶対にないようにします。これから誹謗中傷で悲しむ人、亡くなる人がいなくなるといいなと心からから願っています。有意義な 2 時間を過ごせてよかったです。あまりニュースを見ない私ですが、少しの時間でも見て、今ある社会の問題に耳を傾けようと思いました。

今回のお話を受けて、生徒一人ひとりが、自分自身が持つ発信力と、その影響の大きさを理解し、責任を持って、真剣に、確かな情報を送受信してほしいと思います。小川局長、NHKサービスセンターの皆さま、この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。