学校法人茨城キリスト教学園

ヴォス校長の探究活動
📷1月📷

中高校長 ランドル.W.ヴォスによる
新校舎ブログ[1月度]

中高校長のランドル.W.ヴォスです。
旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

さて、今回は新校舎ができた際に飾ろうと思っている一枚の絵についてご紹介させていただきます。



それがこちら。
カルバンの生誕400年を記念して1917年に建立された記念碑をもとに描かれた絵です。カルバンをはじめとする4人の宗教改革者が並んでいます(向かって左からファレル、カルバン、ベーズ、ノックス)。
210㎝×160㎝の超大作です(私の身長は190㎝です、大きさが分かるように並んでみました)。

カルバンといえばドイツのルターと並ぶ宗教改革の中心となった人物。1540年代にスイスのジュネーヴで宗教改革を実践、改革派を指導しました。カルバンは労働することと、お金をためることを奨励します。キリスト教で初めて、富を蓄えることを承認したのです。この教えはフランス、オランダ、イギリスなどに広がり、ヨーロッパ資本主義の基礎を作った、と言われています。


さて、こちらの絵がどのような経緯を経て私たちの手元に来ることになったのか、ご説明します。
こちらの絵は茨城県北ゆかりの日本画家・村田猛氏(1918〜99年)によって描かれた作品です。

村田猛さまについて


北茨城市出身。戦後、高萩市で会社を経営する傍ら、絵を描き始める。酒井三良(さんりょう)の勧めで日本美術院に出品。昭和を代表する日本画家の一人、奥村土牛(とぎゅう)に師事した。

今回新校舎を竣工するにあたり、猛氏の次男・現在いわき市の医療創生大学薬学部教授の村田亮さまが、高校のOBでもあることから寄贈を申し出てくれました。

私がこの作品にシンパシーを感じている部分が、“色づかい”です。この絵には様々な緑色が用いられているのですが、この色味が、新校舎の共用スペース等で用いようとしている緑色と非常に似ているんです。何度かご説明している通り、新校舎のコンセプトは「シオンの森につながる校舎」です。ですので、校内にあるイチョウやマツなど、森をイメージさせるような緑色の数々を、壁面には用いる予定でした。猛氏の他の作品を見ても、青や緑の色づかいがよく使われているように思えます。この絵を見たとき、まさに私たちの新校舎との親和性が高い作品だと感じ、ありがたく寄贈の話をお受けする運びになりました。

持ち込みにあたっては、私と中高事務長で、亮さまがお住まいの福島県いわき市までお伺いしました。
2トントラックでお迎えに行ったのも、今ではいい思い出です(笑)。
これほどまでに大きい作品ですが、実は“和紙”に描かれているのでさほど重くないんですよ。
(こちらは、常陸大宮市の<紙のさと>で1970年から生成されている、西ノ内紙(無形文化財)という和紙だそうです)

今回のように、将来は生徒や学校にゆかりのある方々の作品を飾っていって、歩くだけで楽しくて、品のある…そして学校に関わる人々の“つながり”を常に感じられる新校舎にしていきたいです。




それではまた次回。