学校法人茨城キリスト教学園

こども園の先生がアート体験研修!

2025年6月20日(金)、学園の大学附属認定こども園せいじ園(日立市助川町)に、ふるさと日立大使でイラストレーターのミウラナオコさんがやって来ました。
ミウラナオコさんは、2019年に開催された茨城国体(第74回国民体育大会)のマスコットキャラクター「いばラッキー」の生みの親としても有名な方です。

この日の気温は30℃越えの猛暑の中、ミウラさんは涼し気な顔で、大きな荷物を2つ抱えていらっしゃいました。
せいじ園に来るのはなんと57年ぶり、とのこと…!?
実はミウラさん、せいじ園の卒園生だったんです。
(いろいろ活動する中で、母園でイベントができることは楽しみだと、園児時代を懐かしんでお話していました。)

さて、大きな荷物を持って向かった先は、いつもは園児たちの保育・教育で大忙しの先生たちの研修の会場です。
ミウラさんは、早速準備に取り掛かります。こども園の先生たちも手分けしてワークショップ会場を準備します。

大きな袋から取り出した様々なアイテムを先生たちの机に並べていきます。
いったい何がはじまるんだろう…?集まった23人の先生たちも緊張の面持ちです。
アイテムを並べ終わり、ミウラナオコさんの紹介が始まると、皆さん「いばラッキー」のキャラクターの作者で、NYでも活動していた方だと聞いてびっくりしていました。

なんと、この日はミウラさんによるアートの特別ワークショップが行われました。

いばラッキーを知っていてくれて嬉しい!と喜ぶミウラさん。
今日は皆さんと2つの作品を作ります。と、ワークショップのテーマを説明しました。

まずは、緊張をほぐすためにみんなで深呼吸からスタートです。

1つ目のコラージュ

テーマは「破壊と創造」
普段は園児たちの指導や教育に集中している先生たち。「いつもちゃんとしていなきゃいけない」ことが多いのですが、このワークショップではアートを作る中で「壊すこと」を知り、自分の独創性を発揮して「わくわくするもの」を生み出す体験を通して、「新しい自分」や「自分の可能性」を感じてもらおうというもの
まず輪郭を描いたと思ったら、それを隣の席の人に回して!?次はその人が目や鼻を描いていくのです。どんな顔になるんだろう??先生たちは真剣ですが、会場は楽しそうな笑い声に包まれていきます。

1つめのワークショップの作品たち。紙からはみ出たり、立体的だったり、横顔だったり…個性的な作品が並んでいますね!
立体的にコラージュが配置されています!
紙から大胆に突き抜けた足がポイント!

2つめのコラージュ

テーマは「ハーモニーコラージュ」
ハーモニーは和音などの響きのことで、色の響きを感じながら作品を作ってもらいたい

そして、「部分と全体」を大事にしてほしい
「部分」というのはこの絵の中のひとつで、それぞれ「部分」を完成させつつ、「部分」を見ながら「全体」を見て、ハーモニーを感じながら作品を作ってほしい
まずは自分の好きな色を見つけ、そこから1つの作品を作ってみよう

2つ目の作品作りの前に先生たちにパレットが配られました。
開いてみると、カラフルな絵の具が最初から置いてありました。
色の順番はそれぞれ。「好きな色をとって丸く並べてみて下さい」とミウラさん。これが最後には顔になっていくのです。

バナナのように伸びたキャラクターがかわいいですね!
推しカラーということで黒枠とピンクが個性的ですね!

小さな展覧会の開催!額装が終わった作品を持って、みんなで輪になりました。

今から自分の作品をみんなに見せてもらいます。「私はここを見てほしい!」というものを指さして回ってください、と説明するミウラさん。 他の人に作品を見せにいくとは思っていなかった先生たちは驚きながらも、どれにしようかな?と楽しそう! ミウラさんは一人一人に寄り添って作品の良いポイントを指摘してくれました。絵を見せて回る、というのは思いのほか刺激的な経験になりました。

額装した作品をもってみんなで輪になりました。

先生たちは「この子です!」「かわいいー!」などなど、楽しそうに回っていました。

2つめのワークショップの作品たち。インパクトのある黒い枠や、かわいらしい作品が並んでいます!

ワークショップに参加して

先生方より

・今までやったことがないことで、色の組み合わせなどを考えるのが楽しかった。

・コラージュと聞いていたので文字や配列を意識しながらやるのかな?と自分の中で想像していたんですけれど【破壊】とか急に言われて…とりあえずやってみると、また違った面白さ、自分の常識とは外れた所に感性を持っていくというのが、自分が子どもになったようで、すごく楽しいなと思いました。

・普段忙しく毎日を過ごしている私たちが、こういうひとときを持てるというのが貴重で、すごくいい時間でした。そしてこの9人の子たちが愛おしすぎて、本当にいいお土産を園に持って帰れてありがとうございました!

・すごく癒されました


ミウラナオコさんより

・「愛おしい」ってことをすごく大事にしているんですけれど、伝わってよかった!

・私も最初は、あの「まる!?」(~顔の輪郭を描いて下さいと指示したら、一人を除いて全員がまるを描いた)、本当にこれ、どうなるんだろうと思ったんですけれど、先生たちはちゃんと工夫して最後には本当に一つとして同じものはないというのをよく分からせてくれました。額の色は同じでもその中は全く違うもの。用意してなかった「黒」を使いたいとリクエストされたのは今回が初めて。素晴らしい。思いっきり【破壊】してくれてありがとうですね。皆さんそれぞれ作りながらストーリーが出来てきて、「これは〇〇」「私のは〇〇」と、本当に「まる!?」で始まったの時のショックも破壊してくれました!

・自分は何を感じたんだろう。何に癒されたと思ったんだろう…ポロっと出てきた言葉、それを大事にしてもらえたら嬉しいです。

おわりに…

この「園内研究会」は68年前認定こども園の前身である聖児幼稚園時代に始まり、現在のみらい園・せいじ園合同で行われていて、最新の教育事例を共有し、保育や学びの質の向上をめざしています。
ミウラさんのワークショップを経験し、思いがけない自分を発見することになった先生たち。
園児たちとの触れ合いが一段と素晴らしいものになることでしょう。