今年度は3年ぶりに高校1・2年生が講堂内に集まり、肩を寄せ合いながら無事に開催することができました。
最初の演目は笑福亭智丸さんによる「南京玉すだれ」。~さて、さて、さては南京玉すだれ~軽快なリズムに乗って、何の変哲もない玉すだれが千変万化する様子に目を奪われ生徒は大喜びでした。玉すだれレクチャーの笑福亭智丸さんの説明は分かりやすく、生徒もリズムに合わせながら一芸を披露し、教わったばかりの「しだれ柳」も見事で、会場がわっと盛り上がりました。
落語教室。最初に柳家小平太さんが小噺を立て続けに披露。猿の顔真似に場内大爆笑。体験コーナーでは、生徒とのやり取りやお喋りが楽しく、生徒はそばをすする動作を一生懸命まねして実践し、会場から拍手が沸き起こりました。
そのあとは本格的に落語。まずは上方落語の笑福亭智丸さん。演目は『動物園』。朝が弱く、力仕事が苦手で、口下手なため、仕事勤めが続かない男。ある日、ぴったりの仕事を世話してもらうことになりまして。これ以上ないって程に楽な仕事の現場は、なんと移動動物園。園長は男に、虎の皮を被せて……虎のように歩く男に最大のピンチが!
続いて、丸一仙三さんの太神楽。傘の上で毬や升を回します。金回りがよくなるとたいへん縁起が良い芸です。茶碗やパンダまで回してしまい場内大歓声。あごの上に撥(ばち)や板、茶碗を乗せていく「立て物」の芸には、そのすごさに生徒も手に汗を握って観てました。
トリは江戸落語の柳家小平太さん。『初天神』。「あれ買ってくれ、これ買ってくれ」と言わない約束をした子どもを連れて初天神に出かけたお父さん。飴や団子が食べたくて、駄々をこねる子どもに手を焼く親子の会話がたまらなく面白くて、小平太さんの演技もノリノリで笑いが途切れることはありませんでした。
鑑賞前は堅苦しいイメージがあった古典芸能も、実際に鑑賞してみると親しみやすいものだったようで、日本の伝統芸能の重厚さを感じることができたようです。落語を直接聞いたことのある生徒はごくわずかであり、深みのあるオチに思わず笑いが起こりました。
茨城キリスト教学園の講堂で日本の伝統文化を堪能することができました。古典芸能を鑑賞したことが生徒の心に残り、これからの生活を豊かにしていく一助となることを願っています。(高校国語科教諭)