茨城キリスト教学園中学校高等学校

キブシ(木五倍子)

シオンの丘の学園創立の記念碑脇に植えられており、脇にある桜とほぼ同時期に黄色の花を咲かせる。フジなどの花と同じ「総状花序」という花の配列の仕方をしており、主軸が長く伸び、柄のついたたくさんの花が間隔を開けて着いている。周りの草木も桜もキブシ自身もまだ緑の葉が出ていない中で、舞妓の花簪のように垂れ下がった黄色の花がとても目立つ。 キブシはキブシ科キブシ属に属する雌雄異株の落葉低木で、シオンの丘のキブシは擬宝珠型の実ができるので雌株ということになる。キブシという名は、タンニンを多量に含む果実を、お歯黒のヌルデ五倍子(ふし)の代用にしたためといわれている。 葉の形・葉の表面の毛の有無や果実の形や大きさなどに地域的な変異が多く、多くの変種、品種がある。基準型のほかに、光沢のある海岸型としてハチジョウキブシ、エノシマキブシ、葉が小さいコバノキブシ、果実が大きいナガバキブシなどが知られている。授業で使っている生物資料集の「植生の遷移」のところに「伊豆大島に見られる植生の遷移」が載っており、荒原→低木林に続く落葉・常緑混交林の樹木として「ハチジョウキブシ」が出てくる。裸地に最初に侵入してくる先駆植物(パイオニア植物)的な性質も持っている。 

シオンの丘の学園創立の記念碑とキブシ

キブシの実