レポートと感想文の違い

 “レポート(report)” とはすなわち “報告書” です。 “感想文” ではありません。感想文であれば自分の思ったことや感じたことを自由に書けばよく、例えばホラー映画を観て 「怖くなかった」 と書いても間違いではありません。考えてみてください、先生が 「ホラー映画を観て怖くないとはけしからん」 と成績を悪く点けるなどということがあるでしょうか? 感想文の内容にいいも悪いもないのです(もちろん、犯罪を肯定したりなど倫理的に問題とされることはあります)。感想文ではあなたの “感性” や “日本語力” は評価できても、その講義・演習・実習・調査によって得られたであろう “知識” や “理解度” は評価できないのです。

レポートとは何か

 では改めてレポートとは何でしょう? もしレポートのテーマが与えられたならば、あなたはそのテーマに関しての “知識” や “理解度” を示さなければなりません。先生はそこを評価するのです。そのためにはまず、そのテーマに関する普遍的な事実を徹底的に調べる必要があるでしょう。そして、もしテーマ自身が 「~の問題について」 など、 “問い” が明らかな場合にはそれに答えなければなりません。また、 “問い” が具体的に示されない場合には、自ら “問い” を設定しなければなりません。十分な “知識” や “理解度” があれば、テーマに内在する “問題点” や “疑問点” が必ず見つかるはずです。それが “問い” になることでしょう。  “問い” には “客観的な証拠” と “論理的な推論” をもって答える必要があります。すなわち “知識” と “理解度” です。自ずとレポートの構成は “問題の提起” に始まって、“客観的な証拠” と “論理的な推論” による議論を進め、最後にその “解決策や答えを示す” という形になります。いわゆる序論・本論・結論という構成になります。

レポートの文体

 文体とは文章の書き方のことです。例えばこの文章はいわゆる 「です・ます」 調です。“内容を知らない人に優しく教えよう” といった感じが出ていますね? もし、先生に提出するレポートが 「です・ます」 調だったらどうでしょう? “先生に優しく教えてあげましょう” とかなり上から目線でおかしなことになります。レポートのような客観的・論理的な文書は 「である」 調を使います。 「~だ。」 「~である。」 「~であろう。」 「~だと思われる。」 などです。また、基本的に 「私は~」 は使いません。なぜかというと “主観的” になりやすいからです。レポートは “客観的” が基本です。「私は~」 の代わりに 「私たちは~」 「我々は~」 と 「私」 を含め 「皆」 が同意できるであろう内容で書きます。皆さんは 「である 」 調での書き方に不慣れかと思いますが、新聞記事がよい参考になります。まずは新聞を読んで文体に慣れてください。

レポートを書くにあたって

 なんとなくイメージがわいてきたでしょうか? まだ焦って書いてはいけません。まずは、徹底的に調べることです。そしてしっかり考えることです。次ページから具体的な作成手順を示していきますが、そこにもあるように、文章を書き出すのは書くことがすべて決まってからです。時間は十分にあります。いいレポートを作っていきましょう。

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Last-modified: 2021-01-20 (水) 09:34:01