茨城キリスト教大学

2017年度リンネ大学への海外留学生 NH 11月分報告書

【スウェーデン】リンネ大学
N. H.(現代英語学科)
Linnaeus University【SE】

本格的に冬が到来し、氷点下や雪も珍しくなくなりました。今ではもうすっかり街一面クリスマスモードで、そこら中でマーケットが開かれています。

11月の初めに市庁舎でVäxjöの環境についての講義を受けました。これは市役所の環境課の方のご厚意で開かれた特別講義です。Växjöがいかにして世界一グリーンな街となったのか、歴史をふまえて分かりやすく説明していただきました。私は特に北欧の暖房について日本との違いに驚きました。「化石燃料ゼロ宣言」によって石油からバイオマス燃料へ移行し、その熱源がパイプを通じて熱供給を常に町全体に行き渡らせているのだそうです。各部屋には「エレメント」と呼ばれる窓下のヒーターがあり、部屋が寒くならないよう常時稼働しています。ゴミの分別も細部まで徹底されていて、寮のごみ箱は残飯・プラスチック・ビン・紙・金属などたくさんの引き出しがあります。さらに学校での環境教育も熱心で、小学校から特別授業を行ったり、市が中心になって環境イベントを年に1回行い、すべての学校が課題や研究を発表したりしています。一方日本ではいまだに化石燃料が一般的であり、Växjöに比べると改善点があると思いました。

今月はスウェーデンの病院を初めて受診しました。まず初めに驚いたのは病院内に受付がないことです。待合室のテーブルに置かれていた問診票に簡単な質問がありましたが、すべてスウェーデン語だったので理解するのに苦労しました。当たり前ですが、診察中はスウェーデン語か簡単な英語ですので、たまに分からない医学用語が出てくると理解できない時がありました。しかし、質問をするとちゃんと身振り手振りと共に理解できるまで説明してくださるので問題ありません。診察が終わり薬の処方箋を受け取るとすべてが終わりです。受付が無いので、そのまま併設の薬局に行くか帰宅のどちらかになります。私はスウェーデン国民ではないので、のちに請求書が家に届くことになっています。しかし、事務の手違いにより2ヶ月近く遅れて届きました。日本と違い病院の予約が困難です。スウェーデン人の友人によると、数ヶ月待たされることも多々あるそうなので、放っておく間に病状が悪化することもあるようです。このようなこともあり、日本人は風邪で病院を受診する一方、ここではそのくらいで病院に行くことはないそうです。

先月の報告書にも書いた通り、11月末にVIS主催のラップランドツアーに参加しました。バスとフェリーを使い2日かけてフィンランド北部のSaariselkäという街に行きました。途中にサンタの里やヘルシンキにも寄り、少しだけでしたが観光することもできました。ラップランドでは事前に予約していた犬ぞりやスキーなどのアクティビティをしました。現地の方によるとこの週は比較的温暖だったそうですが、それでも外気温は氷点下10度ぐらいでした。しかし体感温度はさほど寒くなく、夜に散歩に行くこともできます。中心街にはレストランやスーパーもあり、鹿肉を使った料理を食べることができました。私たちは運が悪くオーロラを見ることが出来ませんでしたが、スーパームーンはきれいに見る事が出来ました。