茨城キリスト教大学

総長からのメッセージ

学園創立70周年を目前にして、今までの学園の歩みを振り返るにあたって、私は何人もの人たちから、何度となく、ローガン・ファックス先生が抱いていた夢の話を聞きました。

1949年のある日、当時短期大学初代学長だったローガン氏は、まだ荒れ地同然だったキャンパスを見渡せる場所まで学生たちを連れ出し、彼らに自分の夢を語ったのでした。「目を閉じてごらん。ほら、そこにチャペル、むこうに体育館、あちこちに建つ校舎や寮が見えるでしょう。」さらにこんな風に言葉を続けました。「夢をお持ちなさい。想像力を働かせて、未来のビジョンを見るのです。」

成長するためには望みを持つことが必要です。ローガン氏は、素晴らしい夢を抱き、その実現を切望しました。そして、氏が1960年に帰米するまでに、その多くが実現していったのです。

前回学園を訪問された2010年、当時途方もないと思われていた氏の夢を大きく超えた学園の成長ぶりに、ローガン氏はたいへん感激されました。さらに、2016年2月、私がローガン氏をアメリカまで訪ねた際にも、現在のキャンパス写真や、大甕駅前の新しい正門のイメージ画に、再び驚嘆されたのでした。氏が学園を離れてずいぶん経ちますが、この学園はローガン氏が創立当初に抱いた夢と期待を礎にして発展してきたのだと、私は考えています。
私たちが、学園の未来に期待するものとは、なんでしょう。私には3つの大きな夢があり、来たる創立80周年、100周年に先だって、これらが実現することを待ち望んでいます。

第一に、学園の立地条件の改善があげられます。建設中のJR大甕駅西口前に、新しい学園正門を設置し、学園はJRの駅に日本一近いキャンパスとなる予定です。2020年までの完成を目指して、現在計画が進められているところですが、アクセスの良さが、今後の学園に良い影響を与えてくれることでしょう。

第二に、今以上に国際色豊かな学園へと成長することです。
これまでも、様々な国から留学生を迎え、また様々な国へ学生・生徒を送り出してきたのですが、さらに活発な交流が展開されることを期待します。特に本学で実施している「デュアル・ディグリープログラム」はその助けとなるでしょう。今以上に多くの学生に海外で学ぶ機会を与え、また外国からの留学生は、二年間、本学で学ぶことができます。このカリキュラムが拡大し、将来的には4年間で日本語と英語での学位を取得できるようになることを期待しています。日本の学生たちにも、日常的な異文化交流、英語による授業の受講が可能になるという大きなメリットがあります。

「イングリッシュ・ヴィレッジ」の設立も、我々が抱く夢の一つです。これは本学のみならず、地域にも貢献するものとなるでしょう。学習者が数日間、英語のみの環境を体験できるこの施設は、生きた英語の理解力の向上につながる強力なツールの一つであると考えます。実現には、敷地や教職員の確保など多くの課題がありますが、実現する可能性は十分にあると思います。

第三に、キリスト教精神に基づく学園として、キリスト教センターの役割を発展させることです。本学園は、心を尽くして神を愛せよ、隣人をあなた自身のように愛せよ、というイエス・キリストの最も重要な教えに則した生き方を示す場所でもあります。学園に集う者が聖書の学びや交わりを通して隣人愛を学び、その具現化として、助けを必要としている人々に寄り添うボランティアとして、外に出て活動できるよう、具体的には、新たにボランティア養成プログラムを立ち上げ、本学園の学生教職員ならびに地域の方々を対象に、災害時に支援活動ができるボランティアを養成する場にしたいと考えています。これからの学園キリスト教センターが、学術的かつ信仰的な視点を持つ研究プログラムに重点をおきながら、イエスの生き方や彼の愛についての教えをもって、地域の教会ならびに学園の将来の担い手となり得る信仰者を教え育てていく場所となることを期待しています。

夢を抱くのはすばらしいことです。しかし想像力を働かせ、希望を持って実現を試みていかない限り、それは価値のないものになってしまいます。

さあ、目を閉じて想像してみてください。——美しい正門の先には自然豊かなキャンパスが広がり、様々な国籍の学生たちが集い共に学ぶ姿を。学生や教職員が、国籍や文化の違いを越えて愛をもって互いを尊重しつつ、共に生きる姿を。キリスト教センターが、学園、地域社会、広くは助けを必要としている世界中の人々に対して、可能な限り手を差し伸べ、真の意味での愛と奉仕を実践する中心的な役割を果たしている姿を。さらには県内のみならず、日本中がこの学園を「活気にあふれ、愛があり、素晴らしい教育の場である。卒業生はよく訓練され人間的にも優秀で就職先でも信頼が厚く、責任のある立場で活躍している。自分の子供たち、孫たちもぜひこの学園で学ばせたい」と賞賛する姿を。


2016年9月1日
総長 ジム D. バットン