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館長の「完調日記」(21)           1月31日


  今回のテーマは、ピカチュウ論 です。
   
 いま、いろいろ理由があって、妖怪、とくに百鬼夜行絵巻を調べております。
知ってますか、百鬼夜行絵巻。
有名なのは京都の大徳寺真珠庵にある絵巻ですね。
この絵巻が百鬼夜行図の代表とされていたんですが、近年、同じく京都にある国際日本文化センターの小松和彦氏が、新しい百鬼夜行図を発見されました。美術的価値は真珠庵本に劣るけれど、今度出てきた方が、後世にたくさん出された百鬼夜行図に多くの影響を与えたようなのだ。つまり、こっちが代表ってことになるね。

http://www.nihu.jp/about/bunka/13.html
(詳しくはこちらで)

ま、それはともかく、現代の百鬼夜行と言えば何を連想しますか?
AKB・・・失礼。定番のオヤジギャクですね。これはいけません。
ということで、やはり ポケモン でしょう。

で、このポケットモンスター、調べていて、ちょっと驚いたんです
ネットにポケモン図巻というのがありますね、ポケモンを系統分けて調べられる、なかなか優れ物です。

http://www.pokemon.co.jp/zukan/

これを見ていて、ポケモンが二つの系統に分かれることに気づいたんです。
一つは、炎や電気、水の系統。
もう一つは、草とか虫とか岩とか氷とかの系統。

ピカチュウとかゼニガメとかは最初の部類。
フシギダネとかウツドンとかは後の部類。

この後の部類は江戸時代以後の百鬼夜行に繋がります。

百鬼夜行図は、古いモノほど器物の妖怪が多いのですが(琵琶とか琴とか臼とか)、江戸時代の後期に入ると、草とか木とか自然のものが多くなるんですね。そこに繋がるわけです。とすると、ポケモン作者の思惑がどうであったかは別として、フシギダネやウツドンの方が伝統的ということになります。

そうすると、ピカチュウとかゼヒガメの方が新種ということになるんだけど、この炎・電気・水って、みんなエネルギーですね。しかも火力にしろ水力にしろ、CO2とか脱ダムとか、あまり評判が良くありません。最近は原発事故で、一時期ほどの反発は無いけれど、あまり良いイメージはないでしょ。
それに比べて、後の方フシギダネとかウツドンはエコです。まさにこれからの時代にぴったりのモンスターということになります。

ポケモンマスターのサトシ君は、ピカチュウを捨てて、これからはもっぱらフシギダネと仲良くする、ということになるんでしょうか、まさかね。

ここからすると、ピカチュウってけっこう危ないポケモンかも。この子は電気を相当喰うから、やはり原発がないと生きていけないモンスターなのかも知れません。手塚治虫の「アトム」もそうでしたね。妹のウランちゃんなんて、街中闊歩しているわけでしょう。ウラン235の半減期は7億年とか言われているから、知り合いになったら大変だ。

それにしても、漫画というのは不思議なくらい社会の様々な問題を背負っているんですねぇ。
    

 染谷智幸(そめや・ともゆき)所属は文学部文化交流学科
 専門は日本文化・文学(江戸時代)、日韓比較文化・文学
 父は人形師。その血を受け継いで人形と犬をこよなく愛す。
 写真はMダックス、名前はミルク。 

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