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おすすめのIC100 2009

 先生方が学生のみなさんにぜひ読んで欲しいと思う本を月ごとに推薦しています。

 ぜひ手にとってみてください。これらの本はICおすすめの100冊コーナーにあります。

■ 月を選択してください。 

◆4月推薦
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◆2月推薦  ◆3月推薦
3月推薦

看護学部看護学科 津田茂子先生推薦 
『ダギーへの手紙 A letter to a Child with Cancer
  死と孤独、小児ガンに立ち向かった子どもへ』
E・キューブラー・ロス著、アグネス・チャン訳、佼正出版社、1998年、913||Ku11
 
脳腫瘍を患っていた9歳の少年ダギーくんが、エリザベスさん宛に書いた手紙への返事が書かれています。ダギーくんは「自分はガンで苦しんでいるのに、大人たちはいのちのことも死のことも、何も教えてくれない」と悲しみ、「いのちって何? 死って何? どうして小さな子どもたちが死ななければいけないの?」と切実に訴えました。エリザベスさんは「いのちと死」が同じ重さをもったかけがえのないものであること、「いのちと死」にとって、いちばん大切なものは「太陽のような愛」すなわち「無条件の愛」であるということを伝えています。この手紙によって、ダギーくんは元気を取り戻し、余命3ヶ月のいのちを14歳まで生活することができました。この世に生を受けたすべての人々に、いのちの尊さを教えてくれる素敵な絵本です。


生活科学部食物健康学科 大和田浩子先生推薦
 
『図解入門 よくわかる栄養学の基本としくみ』 (メディカルサイエンスシリーズ)
                   中屋 豊著、秀和システム、2009、
 
本書は「栄養とは何だろう?」、「消化器のしくみはどうなっているのか?」、「食べ過ぎるとなぜいけないのか?」、「食べ物と健康・病気との関係はどうなっているのか?」など、食と身体のことがやさしくわかる入門書です。ちまたに氾濫している栄養学についての「疑問」が解決できるよう、一般的な入門書よりも一歩踏み込んで、最新の研究成果を示すなど高度な内容も含まれていますが、栄養メカニズムの図解、コラム、マンガなどを取り入れ、わかりやすく親しみやすい内容となっています。家政学系や看護系の学生はもちろん、栄養学の専門書は難し過ぎて・・・と感じている専門以外の方にもお奨めです。

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2月推薦

文学部児童教育学科 信太進先生 推薦 
『音さがしの本 リトル・サウンド・エデュケーション』 増補版
          R・マリー・シェーファー、今田匡彦、春秋社、2009、760.7||Sc1
 
 音と耳と心を澄ます、子どものためのサウンド・ワーク100例
身近な自然の音やさりげない日常の音に耳を澄ますことによって、世界に対する素直な感性と優しい心を取り戻す。サウンド・スケープ(音風景)の提唱者による子ども向けのワークブック。実践例とシェーファーの最新エッセイを追加した増補版。
本書はワークショップ形式の内容なので、実際の児童教育や幼児保育に活用できそう。友達や家族と一緒でもゲーム感覚で楽しめる。


文学部文化交流学科 斎藤聖二先生 推薦
 
『東南アジア 多文明世界の発見(興亡の世界史第11巻)』
                   石澤良昭、講談社、2009、209||Ko14||11
 
とにかく東南アジアって面白い。ちょっと前まであそこは中国でもインドでもないそれらに挟まれた得体の知れない場所と消去法的に語られてきたものだ。でも、どこに行っても東南アジアには同じ風が吹いていて、どうしてもここには一つの世界があると思わされる。あまりに多様な色にあふれ、様々な生活があり匂いがするけど、そして面積的には日本の12倍もあるというのに、一つの場所だと感じられる。狭間なんて嘘だ。この本はその統一的な多様さを「多文明世界」と命名した。隣接する中国とインドの文化・文明の良いとこ取りをしながら、独自に人にやさしい生活文化を満たし、ゆったりとした時間と共に深化させてきた。訪れる人になんともいえない安らぎを与えてくれるのはそのせいだろう。多彩でディープな世界が其処此処で楽しめる。ぜひ足を運んでその快楽の空気を味わって欲しい。東南アジアは読んで学ぶ場所ではなく、行って感じる場所だけれど、まあ、とりあえずはここから入るのもいいだろう。そんなための一冊。

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文学部現代英語学科 バスキン先生 推薦
 
『The Elements of Style』 Fourth Edition
             William Strunk Jr. and E.B. White、1979、836||st8
 
If you are interested in improving your writing, The Elements of Style is a must-read. In 85 pages, Strunk and White provide rules of usage, principles of composition, a few matters of form, a list of commonly misused expressions, and a chapter on an approach to style. They explain how to write clearly and directly, using the active voice, omitting needless words, and using definite, specific, concrete language. Roger Angell, E.B. White’s stepson, adds a foreword to this new edition, speaking to writers about the problems all writers face. Strunk and White can help you to be a better writer. Read The Elements of Style to find out how.

1月推薦

看護学部看護学科 熊谷英樹先生 推薦 
『深夜特急』
                   沢木耕太郎著、新潮社、1987 、915.6||Sa94
 
中国に返還される前の香港からイギリスのロンドンまでのさまざまな国をバスで旅するという作品です。
「深夜特急・ミッドナイトエクスプレス」とは「脱獄するという隠語である」から始まり、まさに現実の世界から脱獄しようとした作者の気持ちが行動となったノンフィクションです。
この作品に感化された20代の私は仕事を1カ月以上も休んでロンドンへ渡り、そこをベースとしてヨーロッパの国々を旅したことがあります。そこで知り合った様々な国の人々とはいまだに連絡を取り合い、その頃の思い出話をすることがあります。いろいろな国の風土やそこに暮らす人の習慣を知ることができ、読者の世界観を広げてくれる作品です。


文学部文化交流学科 瀧野修先生 推薦
 
『狙われたキツネ』
           ヘルタ・ミュラー 山本浩司訳、三修社、2009、943.7||Mu29
 
作者は2009年のノーベル文学賞受賞者。ルーマニア生まれで、現在はドイツ在住。秘密警察と密告におびえる80年代チャウシェスク独裁政権下の民衆の不条理な日常、管理統制された社会の恐怖が、女性たちの愛や友情を軸に、幻想的な筆づかいで描かれています。詩的な凝縮と散文的な率直さにあふれる彼女独特の文体は、小説のストーリー展開を追うことに慣れた者にとっては、最初は読みにくいかもしれません。しかしやがて、詩的イメージとドキュメンタリー的具体性によって織り成される作品世界に引きずり込まれます。事前に時代背景などを知っておく意味では、巻末の訳者あとがきを先に読むのも良いかもしれません。

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文学部現代英語学科 上野尚美先生 推薦
 
『君について行こう-女房は宇宙をめざした』 
              向井万起男著、講談社+α文庫、1998、916||Mu24||1
『続・君について行こう-女房が宇宙を飛んだ』 
              向井万起男著、講談社+α文庫、2002、916||Mu24||2
 
この本は、タイトルを読めば想像がつくように、日本人女性として始めて宇宙へ行った向井千秋さんのご主人が書いた本です。この本を読めば、宇宙飛行士というのはどんな職業なのかがよくわかります。みなさんの中で宇宙飛行士を志望している(夢見る)人が何人いるのかわかりませんが、これから婚活を体験する可能性の方が高いみなさんには、この本の中に描かれている向井夫妻を通して、世の中にはこんなユニークな夫婦の形もあるのだということもわかります。宇宙飛行士として地球の周りをグルグル回りながら、人生観が変わった宇宙飛行士もいれば、向井千秋さんのように「全然変わっていません」と答える宇宙飛行士もいるようです。でも、人生観まで変わらずとも、この本を読めば、日常生活の中の悩みなんてささいなことに思えてくるかもしれませんよ。


生活科学部人間福祉学科 山中俊克先生 推薦
 
『復刻版 死線を越えて』 
                賀川豊彦著、PHP研究所、2009、192.518||Ka17
 
この本は1920年(大正9年)に出版されて、その時大きな反響を呼んだ小説である。作品の内容は、クリスチャンである主人公が貧民屈(スラム)に入り込み、庶民に献身的なはたらきをするというもので、著者の自伝的小説である。
 賀川が実際に神戸のスラムに移り住んだ当時の日本の社会は、貧困問題に対する国の責任という認識が乏しかった。そのような時代に、人々の生活の格差をなくして協同社会を築こうとする賀川の社会活動が与えた社会福祉への影響は大きい。
ともに生きること、キリスト教信仰を実践するとはどのようなことなのであろうか。


文学部児童教育学科 川本欣治先生 推薦
 
『「良寛入門」-もっと愚かに、もっと伸びやかに生きる道-』 
                    栗田勇著、NONbook、1985、911.152||R97
 
恥ずかしい話かもしれませんが、この本を読むまで、「良寛」といえば子どもと毬をつく、
隠れんぼをしていて子どもが帰った後も翌日まで隠れ続けていた、というようなエピソ
ード的なことしか知りませんでした。しかし、本屋で何気なく手にして読み始めたとき、
良寛という人物が、これほど自分自身の生き方を問い続けた人であったのか、と驚き
その後、良寛に関する本を読むようになりました。
今の世の中、誰がどう考えても、過去に比して人々が絶対的に幸せになってるとは
言えず、また、未来の在り方も混沌とした状態にあり、その一因が現代文明の在り方
にあるのではないかと考えるのなら、この一冊を手にして、初めの数ページを読み始
めると、忘れている何かを思い起こすのではないでしょうか。そしてまた、この一冊を
読み終えたとき、あなたもきっと、「良寛さあ」の住んでいた日本海に面した町を一度
訪れてみたくなるのではないでしょうか。

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12月推薦

看護学部看護学科 小澤尚子先生 推薦 
『死ぬときに後悔すること25』
                   大津秀一著、致知出版社、2009、114.2||O87
 
この著者は,茨城出身の緩和医療医が書いたものである。人が死を前に抱く後悔の内容は全く異なり,25人の話の中でも共感するもの,そう思わないものと受け止めかたも違う内容となっている。看護師になると,患者さん自身の口から自らの死に対する話しを,ベッドサイドで1対1で話し合う機会がある。どの生き方がいいという結論や答えはないが,この本を読むと,自分自身はどのように死を迎えたいのか,どのような看護を提供したいのか,を考えさせられる。本の題名よりも,書かれてある内容はとてもわかりやすく,特に看護学生にお勧めの本といえる。


生活科学部食物健康科学科 小林君江先生 推薦
『疾病別臨床栄養実践ガイド』 DVD全7巻
                        TDKコア、2007、DVD0498||シ||1~7

医療現場では、医師をはじめコメディカルが患者をさまざまな方向から観察し、疾病の予防、治療をすることにより患者のQOLの向上を目指しています。その中の一つの栄養ケア・マネジメントは、「口から食べる」ことを目標に栄養状態を改善して、人間本来の生活を回復するためのものです。これを実践するためには、臨床栄養の知識を身につけ、個々の問題の本質を丹念に探り、それを的確に抽出できる能力が必要です。本教材は、医療現場を知り尽くした医師、管理栄養士が中心になり、現場でしか知り得ない最新の医学的知識と栄養学知識が疾病別に映像でわかりやすく解説されています。管理栄養士や看護師を目指している方にぜひお薦めします。

文学部文化交流学科 佐々木冬流先生 推薦
『日本語の個性』
             外山滋比古、中公新書、810.4||To79、1F閲覧室新書書架

よく日本語は難しいと言われる。日本語は最後まで聞かなければ分からないと言われるが、最後まで聞いてもよく分からなかったりする。省略が多く、含みをもたせたり、逃げをうったり。それでも日本人は勘をはたらかせて、相手を気遣いながらコミュニケーションをなりたたせる。
 外山滋比古は英文学者の目をもって多くの日本語論を書いている。本書はその中の一冊である。日本語の特性を知りたい学生、特に外国人に日本語を教えたい学生は是非読んでください。そうでない学生も一読してみては如何。

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文学部児童教育学科 飛田 隆先生 推薦
『赤ちゃんにおむつはいらない』
                    三砂ちづる、勁草書房、2009年、599.9||Mi51
 
 幼児保育に関わっていると「おむつはいつはずしたらよいのか」との質問を受けることが多い。現状の状況をみると年々おむつをはずす時期は後ろにずれ幼稚園の先生方から悲鳴にも似た訴えが来る。「3歳児入園の子どもの中にまだおむつがはずれていない子どもが数人いるのです」(補足説明をすると3歳児入園児は年度内に誕生日がくると4歳児になる子どもたちである)紙おむつが機能性を高め「おしっこをしてもサラット蒸れません」のCMの通り実力を発揮してくれているお陰で?保護者の皆さまの助けになっている。一見子どもにも親たちにも良いと思われることだが・・・・・・。
 答えはこのわかりやすい題名のおすすめ本をぜひ読んでいただきたい。幼児保育専攻の学生のみならず将来親になる予定の方はどうぞ。


文学部現代英語学科 Harris G.Ives先生 推薦
『Dreams From My Father』
              Barack Obama (Random House)、2004、289.3||O11

Dreams from my Father is one of the most beautiful autobiographies that I have ever read. As everyone knows, President Barack Obama describes his very international life as the child of a Kenyan father and an American mother. The book has settings in Africa, Chicago, Hawaii and Indonesia. Through a complicated series of marriages, the parents provided Barack (originally called “Barry” as a young boy), with several brothers and sisters. The siblings are a veritable rainbow of colors, including people of Indonesian, African, and mixed race heritage. It is a lyrical book; some passages soar like poetry. The eloquence of the book is predictable – Barack Obama has an enviable command of the English language.

『Seventeen Syllables and Other Stories』
     Hisaye Yamamoto (Rutgers University Press)、2001、933.7||Y31

Yamamoto is an American woman of Japanese heritage. As a Nisei, she experienced the imprisonment of Japanese Americans during World War II. Her collection of short stories focuses on the complicated relationships between the Japanese immigrants and their children. Brown House is one of stories in which Yamamoto explores several social issues: (1) the conflicts between the many ethnic groups in America (2) the fragmentation of the Japanese family in the new social order of the United States, (3) domestic violence created as one particular Japanese father takes out his frustrations on his own family. Yamamoto is a sophisticated writer, drawing upon several literary techniques such as symbolism and irony.

11月推薦
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文学部現代英語学科 レパヴー マリ先生 推薦 
【英語版】 『R.U.R』
     Karel Capek著 Dover Publications,Inc 2001年、989.52||C16

【日本語版】 『ロボット(R. U. R.)』 
        チャペック著、訳者:千葉栄一、岩波文庫、1989年、989.52||C16

 少し前に「ターミネーター」という映画がありました。機械が革命を起こし、人間を支配しようとするSFです。この話は、1929年に書かれたチャペックの「R(エル). U(ウー). R(エル). 」が元になっているのではないでしょうか。チャペックは、チェコを代表する世界的な作家で、この作品(戯曲)も様々な言語に翻訳されています。戯曲は読みにくそうですが、最初の1~2ページを読めば、すぐに慣れますし、登場人物名も、あらかじめ覚えておく必要は全くありませんので心配御無用です。
「R(エル). U(ウー). R(エル). 」とは、Rossum’s Universal Robotsというロボット製造会社の名前です。この会社の社長は、心や感情という(効率的な労働に)余計なものを省いた人間そっくりの生き物を大量生産し、世界に送り出します。やがてロボットたちは、自分たちが知能も肉体的機能も人間より優れていることに気づき、人間に従うことを止め、人類を滅亡させます。しかし、ロボットたちは悩みます。自分たちは決して人間のように子を生むことはなく、結局は死を待つだけの存在だと。生命の根源を見つけようとロボットたちが必死になり、人体解剖をしようとする場面を読むと、「自分はダメ人間かもしれないけれど、とにかく人間で本当に良かった」という気持ちにさせられます。どんなに優れた能力を持った機械よりも、不完全でも愛に溢れた人間の方が素晴らしいというチャペックのメッセージが伝わってきます。
この作品は、ナチズム批判、行動主義批判、資本主義批などとして読むことができると思います。ちなみに、「ロボット」という言葉を考案し、弟に提案したカレルのお兄さんは、ナチス・ドイツの強制収容所で亡くなりました。しかし、この作品が生まれた社会背景を知らなくても、忘れられない1冊になることは間違いありません。

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生活科学部食物健康科学科 梶田泰孝先生 推薦
『ビーチコーミング学』
                      池田 等著、東京書籍、2005年、407||I32

ちょっと一息の書籍。ビーチコーミングってご存知ですか?
せっかく茨城にいるのだから、せっかく大甕にいるのだから・・・そのための一冊です。「今日は何が拾えました?」この言葉から始まる“ゆるやか”な世界。拾えた物を見て考える、想像の世界。拾えるものは貝殻や海の生物だけではなく、人々の生活を知ることが出来るものや、異国からやってくるものまで。海洋学、生態学、地質学、民俗学・・・そこには様々な学問が溶けていますが、なにも難しいことはないビーチコーミングの世界を紹介してくれる一冊です。

『みるみる理解できる相対性理論』
            Newton別冊、ニュートンプレス、2008年3月、421.2||Mi49
重力で光が曲がる?? 時間は見る場所によって長さが変わる??
相対性理論と聞いて???の方も多いのではないかと思います。どうやら、相対性理論とは、時間や速さ、長さなどが測定する者の立場によって変わることだそうです。なにやら難しい理論のようですが、この本は理論の一端を理解できるよう解りやすく描かれており、読むと、何かわかったような気がします(実際には解っていないのかもしれません)。いろいろと出版されている「ニュートン」の別冊の中で、興味深く読むことが出来る一冊です。
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文学部文化交流学科 堀口悟先生 推薦
『虫めずる姫君』
                

 「蝶をかわいがる姫君が住んでいらっしゃる隣に、ある大納言殿の姫君が住んでいた。親たちは、上品に大切に育てたのだけれど、この姫君がおっしゃることといったら……」。虫を愛する変な趣味を持った姫君のお話。普通の姫様達が美しいファッションに身を飾り、蝶よ花よと騒いでいるとき、この姫様は男の子のような格好をして、虫集めに熱中している。中でも大好きなのが毛虫。「いやー、毛虫が心深い姿をしているってのは、憎いわねー」なんて言ってる。親が気味悪がって注意すると、この姫が言うには「世間の人が、花よ蝶よなんて言ってるのは、浅はかで馬鹿よ。人には真実を探求する心があるのよ。物の実態を突き止めてこそ真価がわかるわ」「この毛虫が、蝶になるのよ」と、極めて合理的。800年以上も前に書かれた日本古典作品とは、とても思えないすばらしさと笑い。さあ、この姫君がどんな活躍をするのか……。短編なので苦労なく読めると思う。『堤中納言物語』という平安時代の末にできた短編物語集の中に入っている一話である。
 図書館で読む場合、古語に余り抵抗がない人には、新潮日本古典集成『堤中納言物語』(新潮社,918||sh61||30)がお勧め。本文の脇に赤字で訳があるので、本文を中心として読めて、しかも難しい部分は全部訳してあるからだ。古文に自信がない人には、日本古典文学全集『落窪物語・堤中納言物語』(小学館,918||N77||10)が読みやすい。各ページの上段に注、中段に本文、下段に訳があるので、本文と訳と語釈とを一目で対照して見ることができる。

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10月推薦

文学部児童教育学科 大山康彦先生 推薦 
『老子の講義』
                諸橋轍次著、大修館書店、1973年、124.22||Mo75

 すでに他界した親父から学生時代にこの本を手渡された。今では私の座右の書ともいうべき一冊である。
「老子」は「論語」と並んで、古来、日本社会に深くとけ込み、日本文化を、そして日本人の心を支えてきたが、意外に「老子」を知る人は少ない。老子の思想は逆説を多用し、矛盾や飛躍が見られるためやや難解だとされ、また消極的思考とも受け止められるが、その深遠な思想は時代を超えてなお「負けない哲学」・「生き延びるための知恵」というものに極めて示唆に富んだものであると思われる。
 一番代表的なものに「無為自然」という言葉がある。“なにもしない”ことではない。
一口でいうと「何もしないことをやる」ということだそうだ。勝ちたいときこそ、一歩退いて考える。つまり、負けないように生きる。
 文武両道を心得たアスリートの多くが、意外にも老子の思想を例に挙げ、
スポーツを通しての求道者としての道を切り開こうとしている話には共感を覚える。
どっしりと腰を落ち着けて読むべき書である。

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看護学部 久保川真由美先生 推薦
『あのころはフリードリヒがいた』
    リヒター著、岩波少年文庫、1977、943||R 35、1Fヤングアダルトコーナー

 毎年8月になると、決まって読む本がある。
読むと必ずとても辛くなってしまうだが、“8月の使命”の様に読み返し、かれこれ20回以上読んだ計算になる。
この本は、ヒトラー政権下のドイツで死んでいったユダヤ少年フリードリヒの悲劇の日々を、
友人である「僕」が、静かに描いた本である。戦禍の中で、いや日常のつましい生活の中で、私たち人間が、人間に優劣をつけて、ユダヤの人々をどのように排斥していったかが書かれている。
この本を読みながら、フリードリヒとともに在るためには何が必要だったのかと深く考えさせられる。優しく、そして強く、生きたいという希みを新たに抱く。
リヒターの姉妹編『ぼくたちもそこにいた』と共に読んで欲しい。しなやかな心で。

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文学部現代英語科 M.Patrick Stephens先生 推薦
『人生を導く5つの目的—自分らしく生きるための40章』
                リック・ウォレン著、パーパス・ドリブン・ジャパン、2004

A Purpose Driven Life (人生を導く5つの目的—自分らしく生きるための40章),
by Rick Warren is a great book for anyone to read, especially university students preparing for life in the real world after school. It deals with the idea of why we (humans) are here on earth.
I read this book a number of years ago and it changed the way I looked at life. It is easy to read, and it motivated me and helped me see what direction I should go in my future.
If you are confused or even depressed, because you don’t know where your life is going, or if you are just curious about what Christians believe about the reason for our existence, please read it.

リック・ウォレン著「人生を導く5つの目的—自分らしく生きるための40章」は、
社会に出ていくための準備段階にいる大学生の皆さんに特にお薦めしたい一冊です。
この本は、私たち人間がなぜこの地上に存在するのかについて書かれています。
私がこの本を読んだのは何年も前になりますが、自分の人生に対する見方が変わりました。
読みやすい内容で、将来自分がどの方向へ進むべきかを見定め、進んでいく上での助けとなり、またモチベーションとなりました。将来のことがわからなくて迷ったり、落ち込んだりした時、あるいは、人間が存在する理由について、クリスチャンはどう信じているのか知りたいと思った方は、ぜひ一度読んでみてください。

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7月推薦

看護学部看護学科 小玉敏江先生 推薦 
 『脳死・臓器移植の本当の話』
           小松美彦、PHP選書、2007年第1版第3刷、490.154||Ko61

 改正される臓器移植法について、改めて自分の意見を持ちたいと考える方はぜひこの本をお読みください。
 本書は、「自分の目で見る」「自分の心で感じる」「自分の頭で考える」という基本姿勢をくりかえし問いかけてきます。本当にあなたは自分の頭で考えているのでしょうか?報道はすべてを見せてはいない。見えないもの、見せられていないものがあることを感じて考えていますか?と。例えば、ラザロ徴候(97ページに写真掲載)や人間的な動きをする“死者”(106ページ)について、さらに、歴史的できごとの内実を知れば、ドナーとレシピエントの双方についての理解が深まることでしょう。

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文学部現代英語学科 清宮倫子先生 推薦
『聖書:新共同訳』
                                        193||Se19
 私の推薦する図書は、キリスト教の「聖書」です。「聖書」は、ひと昔前までは、「神の言葉」として、「本」として扱われてはいませんでした。従って、文学として見ることは冒涜と考えられてきました。しかし、そのなかに、神話、伝説、律法、歴史、預言、小説、劇、詩、格言、書簡、伝記など、ほとんどあらゆる文学形式が含まれており、それ自体が、人類の1大文化遺産になっていることに間違いはありません。「本の本」といわれる所以です。我が校のミッションスクールとしての建学の精神を顧みると、「聖書」の大切さが再認識されなくてはならないと思うのです。
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文学部児童教育学科 細川美由紀先生 推薦
『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』
                  渡辺一史、北海道新聞社、2003、369.27||W46

 「障がい者」の本というと、誰かに支えられて生きていく人とそれを支える健気な人たち、といったイメージがあるが、この本はそのようなイメージが根底から覆されるエピソードであふれている。この本に出てくる鹿野さんは口は悪いし、わがままだし、ボランティアには「帰れ!」と一喝するような、一般の「障がい者」のイメージとは遠くかけ離れた存在である。そんな鹿野さんのもとを離れていくボランティアも多いが、それでもボランティアを続ける人たちがいる。そこには「介助者対障がい者」という関係を超えた「ヒト対ヒト」の関係が成立していた。それでは、どうしたら「介助者対障がい者」という関係を乗り越えることができるのか。ボランティアに限らず、人との付き合い方に悩んでいる人にもおススメの1冊です。

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生活科学部食物健康科学科 飯島健志先生 推薦
『生物と無生物のあいだ』
                   福岡伸一、講談社現代新書、2007、460.4||F82

 「読み始めたら止まらない極上の科学ミステリー」という帯タイトルで売られ、インターネットの書評でも多くの賛否両論があり、2007年度話題になった本です。
 内容は遺伝子の発見から始まり、生命の本質を問いかけたものですが、難解ではなく、文系の人でも理解できる平易な文章で書かれています。野口英世など、さまざまな科学者
が登場し、研究の裏話や著者の研究生活のエピソードも盛りだくさんで生物学を研究する科学者に興味をもつ方はおすすめです。一人の科学者のエッセイ本としても読めます。

6月推薦

生活科学部人間福祉学科 望月珠美先生 推薦 
 『ソトコト新書「隣人祭り-「つながり」を取り戻す大切な一歩-」』
         アタナーズ・ペリファン、南谷桂子、木楽舎、2008、361.7||P42

 「隣人祭り」。耳慣れない、でもどこか気になるこの言葉は、21世紀のはじまりを目前にしたパリで生まれ、今、世界に急速に広がりつつあるものであるという。
発端は、区役所に勤める筆者ペリファンさんの身近におこった高齢者の孤独死。「住民同士のふれあいがあれば、起こらなかったはず」との思いを原点にはじまった隣人を招いての食事会は、瞬く間に全国、そして世界へと広がっていく。
アンティークにカフェに雑貨。「おとなかわいい」魅力にあふれるパリの街にも孤独死が絶えず、最近は「オレオレ詐欺」も続いているという。世界に蔓延する閉塞感とさみしさ。互いを信じられない事から生まれる恐れや不安をおいしい食べ物と楽しいおしゃべりでとかし、「つながり」のある住みよい街を創っていこうとする、希望あふれる本である。心理・カウンセリング学や社会福祉学を学ぶ方だけでなく、人との「つながり」を求めるすべての方におすすめします。


看護学部看護学科 片田裕子先生 推薦 
 『心を打つちょっとした気の使い方93』
                  山崎武也、三笠書房(文庫)、2004、159||Y48

 悲しいよりは楽しいほうがよい。怒るよりは喜ぶほうがよい。これは、人間の自然な感情である。社会のメカニズムや様々な人間関係が、複雑に絡み合っている現代、しかしながら人間は、その中で生きていくしかないのである。人間の相互的な感情を自らが工夫することによって楽しく、実りある豊かな人間関係の中に置くことができるコツについて書かれた一冊である。恋人や友人、これからの職場での人間関係についてヒントを見つけてみてはどうでしょうか?

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文学部現代英語学科 浅野敏夫先生 推薦
 『沓掛時次郎:遊侠一匹』
                    加藤泰監督、東映ビデオ、1966、DVD1||ク

 至純の愛を描いた日本映画を紹介します。
長谷川伸原作の時代劇(股旅映画、チャンバラ映画)なのだが、これは涙なしには観ることができない純愛映画です。監督加藤泰が描く中村金之助、池内淳子の幾重にも入り組んだ相思相愛、その愛を成就させることができないしがらみ、痛恨の思い。6分30秒にわたってカメラが固定されたまま、時次郎が旅籠のおかみを相手に、池内淳子への思いを訥々と語るシークエンスには圧倒されます。この場面はそのまま池内親子に再会するシーンに続く。この映像の呼吸、圧巻です。漆黒の闇に雪が重厚に深々と降って、そのまま6分30秒につながる映像も見ものです。「男はつらいよ」の渥美清が前半に出てきて、彼のコミカルな演技も見逃せないですよ。

『おとうと』
               市川崑監督、角川エンタテインメント、1960、LD1||オ

 姉と弟の間の愛情が淡々と、しかし哀感たっぷりに描かれるというのは、これぞ映像表現の極地という感じがします。「淡泊」と「哀感たっぷり」が両立するなんぞ、めったにないわけです。姉の岸恵子の演技が絶品。弟、川口浩の演技も負けず劣らずすばらしい。迫真的な姉弟喧嘩のシークエンスもすごい。幸田文の自伝的小説が原作であるから、父親の小説家・幸田露伴(森雅之)の演技もにくいし、継母役の田中絹代の一見意地悪そうな演技もみごと。とにかく、監督市川崑の映像表現はいちいち一服の絵画になっています。弟が亡くなってのち、最後の場面でのお姉さんの動きには意表をつかれます。『ビルマの竪琴』『野火』『私は二歳』『東京オリンピック』『股旅』など、市川監督に傑作は数多いのだが、わたしは『おとうと』を一番に挙げますね。(『私は二歳』も大好きなのですが、ね)

『猫の客』
                  平出隆、河出書房新社、2001、913.6||H64


猫との交流をテーマにした小説・エッセイは数多いのだが、『猫の客』にはそれらと一線を画する独特の持ち味があります。猫を「所有する」のでなく「飼う」のでもない、いわば「いっとき一緒にいてもらう」ことのかけがいのない喜びが、詩人・平出隆の端正にして透明な、クリスタルのような一見脆いのだが、実は剛毅な筆致でつづられる。だからこそ、猫の形而上学的な名状しがたい魅力の根源がひしひと感じられる。著者は、「チビという猫からだけ、非地上的な、痙攣的な、稲妻的な啓示の力がやって来た」と書いている。一匹の猫に、人間との関係でそれだけの力があるという不思議、それを存分に納得させてくれる小説です。

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文学部文化交流学科学科 細谷瑞枝先生 推薦
  『色で読む中世ヨーロッパ 』
              徳井淑子、講談社選書メチエ、2006、230.4||To37
 
 「あなたの好きな色は何ですか」という心理ゲームがある。「○○色」と答えると、「その色のイメージを3つ挙げてください」と続く。
 12~15世紀の中世ヨーロッパ人相手にこのゲームをやったらどうなるか。
 「黄色」はありえない。当時、黄色は裏切りと欺瞞を意味し、忌み嫌われる色だった。なるほど、ナチスがユダヤ人に強制した黄色の六角星のマークの由縁はここにあるのか。でも、中国では皇帝の色だし、日本には「幸せの黄色いハンカチ」って映画もあったけど。
 「緑」?う~ん、それはあるかもしれない。中世においても緑は「青春と愛」の色だった。しかし、青年はあっという間に年を取り、愛は移ろいやすい。それゆえ、緑は、恋人の心変わりから人生の栄枯盛衰までを意味するようになり、だから、賭け事をする台は緑色、悪魔も緑色とか。そういえば、グリム童話にも、緑色の男が出てくる話があるが、あれは悪魔だったのか・・・。
  本書は、絵画に描かれた服装や紋章の「色」にこめられたメッセージを読み解きながら中世ヨーロッパ人の感情生活に迫っていく。自分の好きな色から読み始めても楽しい。 ちなみに、冒頭のゲーム、色のイメージは、自分がなりたいイメージを表しているそうだ。

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生活科学部食物健康学科 井川聡子先生 推薦
  『よくわかる 女性の品格あるマナー 』
       篠田弥寿子、PHPビジュアル実用BOOKS、2008、385.9||Sh66
 
 学生の皆さんは、日常生活の中でどんなマナーに気をつけていますか? 
学生さんの 爽やかな挨拶や明るい笑顔はとても気持ちが良いものです。
しかし、時には、会話、身だしなみ、あるいは相手への気配り等についてもう少し大人のマナーを身に付けてほしいと感じる場面に出会うこともあります。
人に与える「印象」はとても重要で、人間関係を円滑にし、ひいては自分の人生を豊かにすることにもつながります。  
 本書は女性が身に付けておきたいマナー(美しい姿勢、会話の基本、敬語の使い方、電話・食事のマナーなど多数)について、イラスト入りで解説してあり、とても楽しく学べます。
ちょっとした気づき・見直しで、内・外ともに素敵な女性に変身しましょう!

5月推薦

生活科学部食物健康学科 花井美保先生 推薦
  『リトルダンサー、Billy Elliot』
                       日本ヘラルド映画株式会社、DVD2||リ
   今回、私のおすすめは、食物健康科学科の勉強とは関係ない映画「リトルダンサー、Billy Elliot」です。
 ちょっと落ち込んでいる時、疲れ切ってなにもしたくない時、無性に腹が立った時、この映画をみるとスッキリします。やる気も出ます。何度見てもいいんです。おすすめです。
 舞台は1980年代のイギリス、ブルーカラーとホワイトカラーの階級差別が激しい中、ブルーカラーの一家に属する少年が、ホワイトカラーの世界であるロイヤルバレエスクールを目指すお話です。
最後のお父さんのアップ、すごく印象的です。
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生活科学部人間福祉学科 江尻桂子先生 推薦
  『暴走する脳科学』
         河野哲也、光文社 (光文社新書)、2008、491.371||Ko76
   このところ、「脳に効く」だの「脳科学が証明した」だのという言葉があまりに安易に使用されている。
かくいう私も実は大学時代、脳研究に魅せられ、「これからは脳の時代!」「心理学など勉強する意味はないのでは?」と真剣に考えたものである。
「江尻さん、君は『脳』で何でもわかると思っているみたいだけどそれは違うよ」と、恩師の一人が忠告してくれた。
 本書は、脳研究によって心の動きがわかるようになるのか、脳研究が将来、医療や教育などに応用されることはどのような問題が生じるのかといったことを、
哲学や倫理学の観点から考えてゆく書である。この分野が初めてという人にとっても、読みやすくわかりやすい入門書である。

看護学部看護学科 浦橋久美子先生 推薦
  『幸運なんです。島根県雲南市』
     本間日呂志、サンクチュアリ・パブリッシング、2008、291.73||H84
 
 こころがほっくりしてくる、そんな写真集です。
オロチ伝説の舞台となった雲南市を撮った写真集です。そこには、聖なる舞台を撮ったというよりどこにでもあるような風景があります。
ふつうの日常を優しく切りとった写真を眺めているうちに、こころが癒されてきます。刺激を排除した気取りのないシーンはゆっくりした気分にしてくれます。
課題に追われ、忙しくしているあなたへ、是非、眺めてもらいたいおススメです。

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文学部児童教育学科 三澤文紀先生 推薦
  『LD・ADHD・高機能自閉症等の理解と支援:vol. 1 気づきと理解』
              医学映像教育センター、2007、DVD0378||エ||1
 
 このDVDは、主にLDを中心とした「発達障害」の特徴を映像などでまとめたものです。
教職課程を履修している学生の皆さんは、発達障害という言葉を何度も耳にしたことがあるかとは思いますが、
それが具体的にどういうものかは想像できない人が多いことでしょう。このDVDでは、発達障害の子どもの特徴や様子を具体的に示してくれている点がとても優れています。
特に、LDの解説に関しては非常に優れています。大学生ではなかなか目にすることができないLD児のつまずきを、
具体例と共に詳細に解説しています。(何せ、監修者がLD学会の会長ですから。)
 教職を目指す皆さんは、何はともあれご覧になってはいかがでしょうか!

   
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4月推薦

生活科学部人間福祉学科  真鍋守栄先生 推薦
   「痴呆老人」は何を見ているか                   
          大井 玄著、新潮社(新潮新書)、2008年 493.758||O31

 ぼけることは程度の違いがあっても、誰も避けることができない。死ぬことを避けられないように。
 ぼけの中核は、記憶を中心とした認知機能の低下である。
記憶はわれわれが人間として生きていくために欠かせない能力である。
エピソード記憶は、自己の体験にもとづく自己を原点とする視座からの長期記憶である。あの時はとてもうれしかった。しかしその場面のそのアングルからの記憶は私だけのものである。こういった記憶が失われると、自分を支えてくれたものが失われ、この世とのつながりを見失ってしまう。
また短期記憶が損なわれると、5分前の自分との連続性が不確かになってしまう。自分の核を見出だせないまま見知らぬ世界に1人たたずむことになる。
 このような状態は痴呆老人に限らず、ひきこもる若者にも通じると著者はいう。著者は終末期医療に携わる73歳の医師である。この本は、生きること・この世とつながることについて考える視点を与えてくれる。

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文学部児童教育学科 小谷野邦子先生 推薦
   『忍者にであった子どもたちー[遊びの中間形態論]』      
            加用文男著 ミネルヴァ書房 1994年
 371.45||Ka98

 裏表紙に「心理学者が子どもたちに仕掛けたひと夏のファンタジー」とあります。地域の子どもたちを対象にした恒例の夏のキャンプで、小学生(主に高学年)と中学生が、忍者の末裔(?)からの手紙によって、タカラモノさがしに夢中になっていく様子が描かれています。子どもを楽しませる遊びの計画なのですが、楽しんでいるのが心理学者とそのサポーターや親たちなのかわからないありさまです。
第2部の総括的分析で、この発達段階の子どもたちのこころのゆらぎを浮かび上がらせ、ホントとウソ、遊びと地域の問題などもとりあげていますが、この本自体の遊び心に乗せられて、楽しく読めて、“遊び”について想像を広げてくれる本です。


文学部文化交流学科 染谷智幸先生 推薦
『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』
                水村美苗著、筑摩書房、2008年 810.4||Mi95

 英語が好きな人、嫌いな人、どっちの人にも読んで欲しい本だと思う。
本書を読んだ後、英語の嫌いな人は言うだろう、ほらやっぱり今の英語一辺倒じゃ日本語や日本文化は滅ぶじゃないかって。
好きな人は反論するだろう。世界の誰もが話せる共通語があったら素敵じゃない。
そのことのメリットの方が大きいよって。愚考すればどちらも正しい。じゃどうすべきかって。みんなで一緒に悩むしかないでしょうね!

『日中韓はひとつになれない』
         小倉紀蔵著、角川oneテーマ21、2008年 319.1022||O26

 新進気鋭の韓国学者、小倉紀蔵さんが東アジアをテーマにして大胆な提言を行った本。東アジアの中国・韓国・日本は、文化的な違いが大きいけれど、それを意識しながら共に歩むべきだと氏は言う。名づけて「東アジア共異体」。これも上の英語問題と同様、簡単に答えが出せる問題ではないだろう。やはり悩むしかないのかも知れない。

『西鶴諸国はなし』
              西鶴研究会編、三弥井書店、2009年 913.52||I25
 西鶴というと『好色一代男』や『日本永代蔵』が有名だが、実は本作が一番面白い。
序文に、源頼朝のおこづかい帳があったとか、お婆さんになっても振袖を着る女が居たとか書いてあるように、現代にもそのまま通じる不思議な話が満載である。私もこの本を作るのに参加したから、ちょっと手前味噌だけど、本の帯にある「きっと西鶴が好きになりますよ」はマジ、一度読んでみて欲しい。
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文学部文化交流学科 掛川富康先生 推薦
『世界文学全集 第1期12巻、第2期、第3期』
              池沢夏樹=個人編集 河出書房新社 908||Se22

 ギリシャの社会派の映画監督T.アンゲロプーロスの作品の訳者であり、
永らくフランスに在住する作家・詩人である池沢夏樹氏の企画した文学全集。
20世紀という、私たちの生活のほとんどの側面を変えた時代、そして便利さよりも過労と危機をもたらす21世紀。こんな時代に書かれた、わたしたちのために書かれたわたしたちの小説の全集です。
中国、ヴェトナム、アルゼンチンなど欧米の作家以外の書き手が登場します。
20歳という年齢が美しい年齢でなく、不安と怒りに満ちた年齢である書いたフランスの作家P.ニザン、北欧の貴族社会を捨ててアフリカのコーヒー園で働く人世を描くI.ディネセン、ポップカルチャーとPCとメディアの大海を泳ぐ青春小説T.ピンチョンの作品など。人間性あふれる人生をおくるための図書館でしょう。

『フランス文学案内』      岩波文庫              950.2||W46
『増補 ドイツ文学案内』    岩波文庫              940.2||Te95
『ギリシャ・ローマ文学案内』 岩波文庫               991||Ko99

 生涯の友人になるような人間との出会い、すばらしい書物との出会いもこのようなものでしょう。
人間に関わる問題を考える原点になるのが文学であると言えないでしょうか。文化や教育や社会や政治を考えるときにも、人間とそれを描いた文学の理解がなければ生気を欠いたもの。こういう意味で、古今の名作を、少し教科書風ですが、古典をもれなく紹介してくれるのが本書です。
どの国でも、時代でも、紹介されている文学作品から、あなたの自分の精神的な国を築くことが出来ます。
辞書のように興味をも持った部分だけを、ときおり、つまり、繰り返して読めばよいでしょう。

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