日立市・茨城キリスト教大学連携講演会のご報告
本学と日立市の共同開催によって、10月16日に大学8号館で行われた講演会に、200名を越える方々が参集され、熱心に耳を傾けて下さいました。
参加された皆様に御礼申し上げます。
牛が好きで、農林水産省のエリート官僚の職を捨てて岩手県の農村に移り住んでしまった、というユニークな経歴を持つ役重真喜子氏に
「私とベコと東和町」の題で講演して頂きました。都会育ちの役重氏を引きつけた東和町という農村の魅力と、そこに生活する大変さをともに
感じさせられるお話しでした。メモを頼りにお話しのおおよそを記してみます。
東和町の人は基本的に優しい。それは地域が存在していることと関係している。
- 職場、家庭以外に人のネットワークがあり、人と人の接点が重層的である。職場の上司が消防団では平となったりする。上になったり下になったり、五分の関係。
- 共同作業が必要。夏場の草刈りは2週間に1回やらないと、道路が危険な状態になる。5時半集合といわれ5時半に行くと終わりかけている。役重氏のような農家の嫁は、寝坊せずにがんばらねばならない大変さもある。最近は500円で草刈りを免れる道も。
- 葬式3日の良さもある。地域総出で手伝うので、誰の家のどのタンスに何があるかまで知っている。年寄りが急に入院になったときでも、近所の人が家族の代わりに衣類などの用意ができるほどである。
- 密接な人間関係の中に生活するので、逃げ場がない。だから譲り合わないとやっていけない。意見が対立して気まずくなってくると、「まんずまんず」と言い出す年寄りがいて、適当なところに納まる。農業はお天道様にはかなわない。思うようにならなくても幸せはある。足るを知ることが、年寄りの知恵として伝えられる。
予定の時間を超えて熱心にお話し頂きました。終わりの方で言われた、生涯学習は、日々の生活の中で、お互いに譲り合ったりの 積み重ねの中にあるのではないか、という言葉が、役重氏からのメッセージとして心に響きました。
東和町でも農村的な共同体はなくなりつつあるようです。参加者のアンケートにもありましたが、人と人とが共に生きることの 大切さを思わせてくれるお話しでした。失いたくない世界と思いました。
また、講演の後に参加者からの質問がたくさん出され、時間が足りないほどでした。
これからも、講演会、公開講座など、地域の皆様とともに学び合う場を企画し、ご参加を呼びかけて参ります。 その折りには、どうぞお出でかけ下さるようお願いいたします。